外回転の実際
ゆいクリニックでは、骨盤位(逆子)の治療として骨盤位外回転術を行うことがあります。
(逆子)の場合には、分娩時に赤ちゃんにトラブルがおこることがあるので、帝王切開分娩が選択されることが多いです。
けれどもそれでは約3%くらいが逆子が理由で帝王切開での分娩となります。
ゆいクリニックでは開院当初から、骨盤位の場合に36週にはいったところで、外回転術を行ってきました。
どうしても逆子のままもどらなかった人もいて、成功率は8割程度でしたが、それでも逆子が治った人の多くは経腟分娩できたので、外回転はトライする価値はあると思います。
外回転術は施術の刺激による切迫早産や早産、常位胎盤早期剥離などのリスクがあるので、施術自体を行わない施設も多いですが、リスクはあっても、効果はあると考えてゆいクリニックでは行っています。
うんと早い週数でやらないとまわらないので早い週数で行った方が良いという意見もありますが、早産や切迫早産が心配なので、36週に入ってから行っています。
36週では赤ちゃんも大きくなってなかなかまわらないのではないかという意見もありますが、それでも6~8割の成功率は見込めます。ゆいクリニックできて5年目くらいまでは成功率8割くらいありましたが、最近は6割くらいの印象で、明らかに回りそうにない人には外回転術は行っていません。
お産前に3~4回外回転術を行った症例
経産婦さんで何度も骨盤位になってなんと3~4回くらい外回転術をおこなった方もいました。
あんまり逆子になるし予定日も過ぎて羊水も少し少なくなってきているので、翌日陣痛誘発しましょうと、41週にはいって外回転したときにこれが最後と思って入院を予定して、翌日朝に入院したときに、また逆子になっていたのはびっくりでした。
入院後再度外回転術を行い、そのまま陣痛誘発をおこなって無事にお産になりましたが、あんまり逆子になるので、この赤ちゃんは逆子で生まれてきたいのかしら、と思ったほどでした。
そのまま回さない方が良いのかしら?
結局無事に頭が下で出てきてくれたので本当に良かったです。
帝王切開を避けられるならそのほうがよい
今年も初産婦さんで外回転が厳しいのではないかと思われて、かなり大変な思いをした方が、お二人頭位になって経腟分娩出来た方がいました。
一人の方は、外回転も怖いから今回は帝王切開でと言われていたのですが、
「何人くらい子どもが欲しいの?」
「3人くらい欲しいかな。」
「そのたんびにおなかを切るの?」
というやりとりの末、外回転を頑張ってみることになりました。
帝王切開後経腟分娩
当院では帝王切開分娩後の経腟分娩トライは行っていません。また帝王切開後の経腟分娩を受け入れる施設も少なくなってきているので、一回帝王切開で分娩した場合には次回帝王切開分娩となる可能性がかなり高くなります。
ですので、リスクはあるけど、外回転術はトライする価値はあるかと思います。
この方は、実際外回転はかなり大変でした。施術中にもう無理と思いつつ、頑張ったところで、なんとか頭位になって、お産もかなり大変でしたが、なんとか無事にお産となりました。結果がうまくいったので本当に良かったと思います。
ところがその後、外回転でうまく頭位にならないケースが続いて、逆子での帝王切開のお産が続いたりしたこともありました。
皆さん帝王切開分娩を希望されたので、逆子が理由での帝王切開分娩の予定となりました。
逆子でお産をする。
ゆいクリニックでは開業以来初産婦さんで逆子で経腟分娩をされた方が、4,5人いらっしゃいます。逆子は赤ちゃんがお産の時に酸素不足になってしまうのでリスクがありますが、赤ちゃんが大きすぎず、赤ちゃんがお尻がした(足が下でない)という条件があえば、初産婦さんでも逆子で安産だったりします。昨年初産婦さんで逆子でお産されたお二人は、一人は帝王切開を予定していました。帝王切開予定日の前に破水されて、その後自然陣痛も来たところで、相談の上、無事にお産されました。もう一人の方は、逆子でもお尻が下なので、頑張って下から産みましょうと相談して、自然陣痛をまってお産になりました。お二人とも幸いなことに赤ちゃんは元気で来てくれました。
逆子が治っても帝王切開
外回転術をおこなって頭位になったけど、陣痛が来てから赤ちゃんの心拍が低下して、緊急帝王切開になった方もいました。なので何が何でも外回転術をしたほうが良いとは進めませんが、できるだけお母さんも赤ちゃんも元気で下からお産できればそのほうが良いとは思います。
井穴刺絡で逆子の治療
井穴刺絡という治療法は、井穴という爪の付け根にあるツボを刺激して体の不調を整える治療法です。様々な症状に効果が期待できます。切迫早産や逆子にも治療したりします。この治療法は外回転と違い、合併症もないため安心して行える治療です。
どんな方法でもお母さんと赤ちゃんが無事に元気でお産を終えられるように、今後もお産のサポートをしていきたいと思います。