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質問:ピルを使用することで不妊になってしまうと聞いたことがあるのですが本当ですか?
答え:ピルを飲んでいても不妊にはなりません。
低用量ピル
経口避妊薬(OC)いわゆるピルは、ホルモンの薬を内服して排卵を抑え、確実な避妊を行う方法です。OCは主に排卵を抑えて妊娠を防ぎます。OCに含まれる二つの女性ホルモン=卵胞ホルモンと黄体ホルモンが脳に働きかけて、卵胞(=卵のもと)を育てるホルモンをつくるのを邪魔して、排卵をとめます。
卵胞は胎児の時から卵巣に準備されています。それがホルモンの刺激で順番に成熟していくのです。ピルはそれを抑えるため、いわば卵巣はお休み状態になります。
低用量ピル(OC)での避妊効果
主に次の3つの作用で避妊をします。
- 排卵を抑制する:脳下垂体がピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンをキャッチすると、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌を抑えます。その結果、排卵が起こらなくなります。つまり、すでに飲み薬で身体の中にホルモンがあるため、脳下垂体から卵巣にホルモンをつくりなさいと言う指令がいかなくなるのです。
- 子宮内膜を変化させる:子宮内膜を変化させて、万が一排卵して受精したとしても受精卵を着床しにくくします。
- 子宮頸管粘液を変化させる:子宮頸管粘液を変化させて精子を子宮に入りにくくします。
ピルと不妊
OCの内服をやめると3ヶ月以内に自然な月経周期が回復します。もともと月経不順や排卵障害があるひとは、元の月経周期にもどるため妊娠を希望する場合には不妊治療が必要な場合があります。でも、もともと順調な人であればOC内服をやめれば3ヶ月以内に排卵も起こります。月経が順調な人もそうでない人も、卵巣をお休み状態にすることで、子宮内膜症を防ぐ効果があるとも言われています。OC内服によってむしろ、将来妊娠するために子宮をよい状態にしておくことができるのです。OC内服中止してすぐに妊娠しても赤ちゃんには特に悪い影響はありません。ただし、腸内環境がOC内服によって影響をうけていて変わってしまい、葉酸不足になっている可能性があるので、OC内服中止して妊娠を考える場合には中止前から葉酸をしっかりと摂るようにしましょう。その際には日本製の葉酸ではなく、食品からつくられたサプリメントか海外産でFolateという葉酸を摂ることをおすすめします。