ピル内服中ですが、月経前に風邪を引きやすいです。

質問:子宮腺筋症と内膜症、筋腫、月経困難症があり10年以上婦人科へ通院しています。(現在内服薬:補中益気湯+大建中湯+フリウェルLD)。コントロール状態は良く、痛み止めも内服しなくてもとても快適に過ごせるようになりました。ただ、月経前になると風邪をひきやすくなったりします。扁桃炎によくかかります。これはなぜなのでしょうか?改善する方法はありますか?

答え:フリウェルLDは低用量の女性ホルモンのお薬で、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが含まれています。この薬によって子宮内膜症や月経困難症が改善することが期待できます。ただ薬を使い続けると腸内環境を悪化させる可能性があります。常用している薬があったら、本当にそれを飲み続ける必要があるかどうかは検討することをお勧めします。低用量ピルは月経困難症をコントロールするのにとても良い薬ですが、根本的に月経困難症がおこる原因を良くするのではなく、女性ホルモンをたくさん胎内に入れて症状を緩和しています。このような状態が起こる血液の滞り(中医学の言葉で「お血」)を取り除くように、運動や食事を改善して、薬をやめていくということも大切です。他にも、抗生剤やステロイド、制酸剤やプロトンポンプ阻害剤(PPI)などの胃薬、などお薬の使用をできるだけ避けることで腸内環境を改善させて、病気を根本的に良くする事が期待できます。

この薬、飲み続けてはいけません! (薬をやめると超元気になる)内山 葉子  (著)はとてもお勧めです。とはいえ、対策せずに薬をやめればつらい生理痛が起こってくる可能性があります。腸をよくするポイントとしてたくさんありますが、下記について出来ることから始めてみてください。

腸をよくするためにおすすめすること

  • お酒を飲み過ぎない
  • 食物繊維を多くとる・・・まめ、味噌、ゴボウ、もずく、こんにゃく、キノコ など
  • 乳酸菌をとる。(でも砂糖たっぷりの乳酸菌飲料やヨーグルトは避けましょう。
  • 乳酸菌乳酸菌生成エキス(アルベックス)をとる。
  • 人工甘味料を控える アスパルテーム スクラロース、果糖ぶどう糖液糖 など
  • 糖質を控える  砂糖をとらない、生成された穀物を摂らない(白米や小麦など)
  • ハーブをとる
  • 楽しく食べる
  • 発酵食品をとる
  • 手作り味噌(スーパーなどでは発酵していない味噌もどきが流通しています)、醤油、納豆をとる。
  • 食物酵素が入っている生野菜、果物を食べる。
  • 夜更かししない
  • ストレスを避ける
  • 腸に炎症を起こす乳製品と小麦をとらない
  • 腸のカビを増やさないために砂糖をとらないようにする。
  • 消化できないもの(トランス脂肪酸、化学調味料、保存料、重金属)などをとらないようにする。
  • 薬剤やダイオキシンなどを避ける。※コンビニでお弁当を電子レンジでチンしたらダイオキシン発生のリスク大です。
  • コーヒーエネマをする:コーヒーを肛門から注入して腸内デトックスする。(当院で相談できます。)
  • 良く噛んで食べましょう。よく噛むことは唾液の分泌を促します。

腸内環境改善で得られる効果

  • 疫力の強化:花粉症やアトピーなどのアレルギー症状の軽減に効果が期待出来る。
  • 悪玉菌や病原菌から身体を守る:インフルエンザなどの病原菌の感染を防ぐ。
  • 疲労回復:善玉菌が産生するビタミンB群は疲労回復に有効とされる。
  • 体臭の軽減:腸内の食べかすを腐敗させて有毒なガスを発生させる悪玉菌が減少する。
  • 便秘の解消:美肌効果が期待出来る。
  • 肥満の抑制:脂肪酸によって、エネルギー代謝が促進される。
  • 癌のリスクの低下:がんの要因にもなるアンモニアや硫化水素の生産量が少なくなる。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。