鉄不足と鉄欠乏性貧血を改善するために大切な栄養

鉄不足を解消するためには、一時的には鉄剤やサプリメントをとる必要があることが多いです。でも薬やサプリメントに頼るだけでなく、食事からの鉄やその他の大切な栄養をつるようにしましょう。

貧血や鉄不足改善のために大切な鉄以外の栄養

•たんぱく質:酸素を運搬する赤血球成分であるヘモグロビンの本体グロビンや鉄の運搬体のトランスフェリンはたんぱく質です。
•ビタミンB群:たくさんの種類のビタミンBがあり、ビタミンB群をバランスよくとるのが大切です。
•ビタミンA:細胞の分化、増殖を調節します。
•ビタミンC:鉄分の吸収を高める効果があります。
•脂質:コレステロールが赤血球膜を丈夫にします。
•鉄以外の亜鉛などのミネラルも貧血改善に大切です。鉄不足だけでなく、亜鉛不足も合併してる貧血の人はかなり多いです。

鉄分豊富なお勧め食材

•ヘム鉄(動物性食品):レバー、赤身の肉、赤身の魚、魚介類の内臓、アサリやシジミなど貝類→コスト的にも煮干しがお勧め。
•非ヘム鉄(植物性食品):小松菜、ほうれん草、大豆(納豆)、ひじき、レンズ豆など豆類、切り干し大根、
•ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を高める。

ヘム鉄と非ヘム鉄とビタミンC

•ヘム鉄の吸収最大30%、非ヘム鉄は最大5%程度。
•ヘム鉄と非ヘム鉄とビタミンCを一緒に摂るとより鉄吸収の効率を高めてくれる。

ビタミンC(アスコルビン酸)

  • 熱で壊れてしまうので出来るだけ生で食べるか、低温蒸し、湯通しなど長時間の加熱を避ける調理方法がおすすめ。
  • 水に溶け、光や空気の影響も受けやすい。
  • 合成でも天然でも化学組成や効果は同じ
  • 野菜:ブロッコリー(ゆでるとビタミンCは壊れる)、ブロッコリースプラウト、カリフラワー、カブの葉、パプリカ、ゴーヤー、
  • 芋:ジャガイモ(皮のままゆでて)、
  • 果物:甘柿、キウイフルーツ、いちご、オレンジ、アセロラ、

タンパク質① 動物性タンパク質

  • 食物に含まれるタンパク質は、口の中でかみ砕いて唾液と混ざり合わせて胃に送り込み、胃酸でどろどろに溶かして、小腸でアミノ酸に分解されて吸収されます。
  • 肉:消化吸収が難しく、しっかり吸収されるようによく噛んで食べないと、大腸の環境を悪化させる原因となります。
    •つけあわせに大根おろしなど一緒に食べる
  • レバー:老廃物がたまるところ。豚、鳥などのエサとして遺伝子組み換え食品が使われて、抗生物質が多量に使われている場合が多い。肝臓にそれらの有害物質がたまる。
  • ※肉をとる場合には、できるだけオーガニックなものを選ぶ。鉄分やタンパク質を摂ろうとおもって肉やレバーに偏りすぎない。肉を食べるときにはとっても良く噛んで食べないと栄養吸収できないばかりか大腸の中で肉が腐っていって、大腸環境を悪くする。
    ※肉より魚:肉の飽和脂肪酸と魚の不飽和脂肪酸 飽和脂肪酸は体内でもつくれるので過剰な場合が多く、不飽和脂肪酸が足りない場合が多い。

タンパク質② 植物性タンパク質

•豆類:大豆、納豆、レンズ豆、そら豆、ひよこ豆
•ナッツ類:ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、くるみ、かぼちゃの種、チアシード、

ビタミンB群

  • B1:肉、うなぎ、たらこ、玄米、豆類(エンドウ豆、大豆、松の実、ひまわりの種)、ヒラタケ、海苔、
  • B2:レバー、うなぎ、ぶり、鶏卵、うずらの卵、モロヘイヤ、豆苗、納豆、ひらたけ
  • ナイアシン:カツオ、マグロ、イワシ、サバ、アジ、レバー、鶏ささみ、ヒラタケ、エリンギ
  • B6:マグロ、カツオ、鮭、サンマ、レバー、鶏挽肉、鶏ささみ、赤ピーマン、ニンニク、バナナ、玄米ごはん、ピスタチオ、
  • B12:アサリ、シジミ、ハマグリ、牡蠣、サンマ、イワシ、レバー、
  • 葉酸:レバー、モロヘイヤ、夏キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、枝豆、納豆、イチゴ、マンゴー、
  • パントテン酸、カレイ、ししゃも、レバー、鶏ささみ、ヒラタケ、エリンギ、ナメコ、アボガド、モロヘイヤ、カリフラワー、納豆、鶏卵、
  • ビオチン:レバー、アサリ、マイタケ、鶏卵、納豆、大豆、レンズ豆、ピーナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ

ビタミンA=脂溶性ビタミン

•食品からのビタミンA摂取では摂りすぎの心配は不要。プロビタミンとして摂れば安全。
•レチノールやβカロテンなど。
•魚介類:うなぎ、アンコウの肝、ギンダラ、ホタルイカ、
•肉類:レバー、
•野菜:人参(皮付き)、モロヘイヤ、かぼちゃ、あしたば、ほうれん草、春菊、豆苗、大根の葉

脂質

•コレステロールが低すぎると高いよりも寿命が短い
•飽和脂肪酸:肉や乳製品 摂りすぎの傾向
•不飽和脂肪酸:オリーブオイル、ひまわり油、牛脂、ゴマ油、大豆油、など植物油、
魚類(イワシ、サバ、サンマ、ぶり、マグロ)

•コレステロール:鶏卵、レバー、手羽先、うなぎ、いか、ししゃも、エビ、たこ、

亜鉛

•亜鉛不足でも貧血になる。
•亜鉛不足の人がとても多い。
•牡蠣、ホタテ、貝柱、たこ、カラスミ、レバー、赤肉、玄米ごはん、納豆、

鉄不足、鉄欠乏性貧血、亜鉛不足、マグネシウムなどその他ミネラル不足改善におすすめ料理:煮干し粉だし味噌汁https://www.yuiclinic.com/information/2557/

鉄不足、鉄欠乏性貧血を改善するために

•バランス良く、色んな食材を摂る。
•鉄不足を起こしている原因を探る(出血、ピロリ菌感染、摂取不足)
•一時的には鉄剤やサプリメントを利用しながら食事も改善する。

 

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。