早期にミルクをあげていた場合、どうしたらよいでしょうか?

質問:1人目の時の入院中、母乳が足りていないということで授乳後に数十ミリの粉ミルクを足していました。生後6か月までは母乳以外のものは飲ませない方が良いとありましたが上記の場合どのようにすればよいですか?

人工乳はお薬のようにどうしても必要な時に使うべきで、安易に使うものではありません。よく寝てくれる、人に預けやすい、などの理由で安易に使われることがありますが、それは出来るだけ避けるべきです。でもどうしても人工乳の補足が必要な場合もあります。その場合には必要最低限使用しつつ、母乳を最大限あげるようにすると良いです。一回の人工乳の補足でも腸内環境は大腸菌優位に変わってしまうと言う報告があります。ですが、母乳の健康へのメリットは量依存性なので、人工乳の補足をしたとしても、できるだけ長く母乳をあげることで、赤ちゃんはたくさんの母乳を飲むことができて、健康にメリットが得られます。入院中から人工乳の補足をしたとしても、できるだけたくさん母乳を飲ませるようにしてください。また、あとから母乳分泌が増えてきたら、人工乳を少しずつ減らす事もできます。離乳食が始まる生後6ヶ月すぎでも人工乳の補足が必要な場合には、母乳は頻回にあげながら人工乳の補足先に少しずつ減らしていくと良いでしょう。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。