すごいAHCC®~免疫力アップで癌治療をサポート

AHCC®とは

活性化糖類関連化合物(Active Hexose Correlated Compound)の頭文字をとった成分のことです。シイタケ属の担子菌由来の抽出物で、多糖類、アミノ酸、脂質、ミネラルの混合物を含む複合化合物です。AHCC®は部分アシル化α1,4-グルカンを豊富に含んでいます。キノコ製品の主成分であるβ-グルカンよりも分子量が小さく、吸収されやすい成分が主体です。

α-グルカンとは

グルコース(ブドウ糖)が多数結合して連なった多糖類(グルカン)の一種。α-グルカンとβ-グルカンの2種類に分類され、どちらも酵母や米、菌類など天然に多く存在しています。人間の体内に摂取されたα-グルカンは、唾液アミラーゼや膵液アミラーゼなどによってグルコースやマルトース(麦芽糖)などに分解され、消化吸収されたグルコースは生体の主要なエネルギー源となります。免疫作用のあるβ-グルカンは有名ですが、α-グルカンも同様に免疫系を刺激出来ることが分かっています。

AHCC®の働き:

様々な実験から、AHCC®には抗がん作用、免疫賦活作用、化学療法による副作用の軽減、感染防御作用が認められている。

AHCC®の働き:免疫調整

腸管バリア機能を向上させます。AHCC®は、ナチュラルキラー(NK)細胞やT細胞の活性を増強し、感染症や悪性腫瘍に対する防御をサポートします。また、腸管免疫応答を促進します。プレバイオティクス様作用があり、腸内環境改善して、免疫力アップにつながります。また、天然由来製品(プロバイオティクスやニンニク)の抽出物と組み合わせて使用することで相乗効果が得られることも分かっています。

AHCC®が、癌治療治療の効果を増大

肝細胞癌(HCC)への効果:AHCC®を肝細胞がんの術後患者に投与すると予後が改善することが報告された。269人の患者のうち113人は治癒的手術を受けた後にAHCC®を経口投与された(AHCC®群)。AHCC®群は対照群と比較して、Coxの多変量解析により有意に無再発期間が長く(ハザード比(HR)、0.639;95%信頼区間(CI)、0.429-0.952;P=0.0277)、全生存率が増加した(HR、0.421;95%CI、0.253-0.701;P=0.0009)。

がんの化学療法とAHCC®:放射線治療による身体的異常の予防・改善によるQOLの維持向上がみられた。AHCC®の経口摂取で、化学療法中の疲労マーカーになると考えられているヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)を有意に減少させた。同時に、膵臓がん・卵巣がん・肺がん・大腸がん患者においてQOLスコアを改善するだけではなく、血液毒性および肝毒性も改善したという報告や、化学療法の副作用として現れることがある好中球減少症の重特性の軽減、味覚障害の発生を抑制することによるQOLの向上に関与したという報告もある。他にも、進行性肝がん・乳がん・胃がん・結腸がん・肺がん・初期前立腺がん・頭頸部がん・小細胞肺がんなど幅広いがんの治療のサポートとして使用されている。

抗がん作用

  • STAT3の抑制:細胞死(アポトーシス)が促進されることで、細胞増殖を抑制。またこの抑制により、炎症性サイトカインの産生も抑制される。
  • iNOS(誘導型一酸化窒素合成酵素)の抑制:一酸化窒素NOの産生を減少させることで、肝臓の保護を助ける。
  • TLR-2およびTLR-4の活性化:TLR-4の高い発現率は口腔扁平上皮がんにおいて腫瘍浸潤の深さと相関関係があり、これらのシグナル伝達の活性化もがん細胞増殖の抑制となる。

AHCC®の安全性

食用のシイタケの菌糸体を使用しているため安全性が高い。まれに軽度な吐き気を起こすこともあるが、重篤な副作用はこれまで確認されていない。

AHCC®の有効量

がん患者を含むヒトに対する臨床研究では、一日1~6gの用量が採用されており、食品としての推奨摂取量もこの用量である。がんに対する研究では一日3gでの研究が多い。

AHCC®はこんな方におすすめ

がん治療中・治療後の患者さん:

  • 「化学療法・放射線治療による副作用(倦怠感・免疫低下・食欲不振) 」の軽減サポート
  • 術後の回復期における体力・免疫力の回復支援
  • QOLを重視した補完代替療法を希望する患者

免疫力が低下している方・感染症リスクが高い方:

  • 高齢者(特に冬季のウイルス対策や体調維持)
  • 慢性疾患(糖尿病、心疾患など)で感染症に弱くなっている方
  • 長期間ストレスや過労にさらされている方(免疫抑制の傾向あり)

ウイルス性疾患に悩む・再発を防ぎたい方:

  • B型・C型肝炎など慢性ウイルス性疾患
  • 帯状疱疹・ヘルペスなど再発しやすいウイルス性疾患
  • HPV感染の既往がある方(子宮頸部の状態管理)

免疫力アップのために腸内環境改善

腸内環境を良くして、健康でいるためにするべきこと。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。