子宮頸がんとは？• •
子宮頚癌は、子宮の入り口部分である子宮頚部に発生するがんで、主な原因はヒトパピローマウイルス（HPV）感染です。初期にはほとんど自覚症状がないため、定期的な検診（子宮膣部細胞診やHPV検査）がとても重要です。日本では毎年、約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3,000人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。また、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。患者さんは20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう（妊娠できなくなってしまう）人も、１年間に約1,000人います。
▲ 子宮頸がんにかかるのはなぜ? • • •子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の入り口に近い部分にできるがんです。ＨＰＶ（ヒトパピローマウイルス）の感染が原因と考えられています。感染は、主に性的接触によって起こり、女性の多くが一生に一度は感染するといわれていますHPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類（型）のものがあり、HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。HPVはみな性交渉があると感染しますが、9割の人は2年以内にウィルスは排除される。持続感染するのは1割程度。
子宮頚癌を予防する2つの柱
HPVワクチン：HPVの感染を予防する。
子宮頚癌検診：がんを早期発見し治療をします。20歳以上の方は定期的に受診しましょう。
HＰＶワクチンの効果とリスク
ＨＰＶ感染は主に性的接触により起こります。パートナーと共に性感染症の予防も忘れずに。サーバリックス®およびガーダシル®は、子宮頸がんをおこしやすい種類（型）であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50～70％を防ぎます。シルガード®9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80～90％を防ぎます。※HPV16型と18型が子宮頸がんの原因の50～70％を占め、HPV31型、33型、45型、52型、58型まで含めると、子宮頸がんの原因の80～90％を占めます。ＨＰＶワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。まれに、重いアレルギー症状や神経系の症状が起こることがあります。また、広い範囲の痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動（動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまう）といった多様な症状が報告されています。※接種後に体調の変化が現れたら、まずは接種を受けた医療機関などの医師にご相談ください。HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関をお住まいの都道府県ごとに設置しています。協力医療機関の受診については、接種を受けた医師またはかかりつけの医師にご相談ください。
予防接種健康被害救済制度について
極めてまれですが、予防接種を受けた方に重い健康被害を生じる場合があります。ＨＰＶワクチンに限らず、日本で承認されているすべてのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、申請し認定されると、法律に基づく救済（医療費・障害年金等の給付）が受けられます。
子宮頚癌と子宮頸がんワクチンについての詳細は、「厚労省 HPV」検索してください。
HPVワクチンは危険なワクチンか。
コラム：子宮けい癌ワクチンの副作用が心配です。
重篤な副反応は10万人に8人（そのほとんどは回復している）。また、予防接種ストレス関連反応というものによる症状が考えられる。
かつて、７０％以上の接種率だった子宮頚癌ワクチンがほぼ０％までになった時期がありました。子宮頚癌ワクチンの積極的な接種勧奨を差し控えられていて、接種を受けられなかった人たちが、今から無料で接種出来るような救済制度がもうけられています。
HPVワクチン接種救済制度
【平成９年度生まれ～平成19年度生まれまでの女性へ】HPVワクチンの接種を逃した方のための接種（キャッチアップ接種）
平成９年度生まれ～平成19年度生まれ（誕生日が1997年4月2日～2008年4月1日）の女性の中に、通常のヒトパピローマウイルス（HPV）ワクチンの定期接種の対象年齢（小学校６年から高校１年相当）の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。過去にＨＰＶワクチンの接種を合計３回受けていないか、まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会が提供されています。 公費による接種を希望する方は、１回目の接種を2025年３月末までに行うことをご検討ください。、2025年３月末までにHPVワクチンを１回以上接種した方は、2026年３月末まで公費で接種できます。公費で接種できるHPVワクチンは、3種類（２価ワクチン（サーバリックス®）、４価ワクチン（ガーダシル®）、９価ワクチン（シルガード®９）があります。決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計３回接種します。
沖縄の問題点
沖縄では子宮頚癌検診を受ける人の割合は全国平均より高いのですが、異常が見つかってから精密検査を受ける人の割合が少ない。そして、全国平均よりも進行した状態で子宮頚癌が見つかる人が多いのです。毎回受ける人と、全く受けない人と極端に分かれている状況があります。
子宮頚癌を予防するために
ワクチンを接種して、子宮頚癌検診を定期的に受けて、精密検査を受けるように指示がでたら必ず医療機関で詳しい検査を受けるようにしましょう。周囲の人に子宮頚癌ワクチンを受けるように勧めましょう。今後はHPV検査が検診に採用されるようになってきます。
子宮頚部腺癌は進行が早いケースがある。
子宮頸部腺がんは、子宮頸部にできるがんの一種で、子宮頸部円柱上皮細胞に発生します。子宮頸がんの約25％を占めます。残りの多くは扁平上皮がんです。子宮頚部腺癌は、扁平上皮がんに比べて発見しにくく、初期からリンパ節転移が送りやすい、また放射線治療や化学療法が効きにくいという問題があります。毎年検診を受けていたのに、見つかったときには進行した癌だったということもあります。そのような状況を防ぐためにも子宮頚癌ワクチンは重要なのです。
子宮がん検診でのHPV検査併用の利点（コラムと動画）
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