母乳の出を良くする方法

母乳育児妊婦クラスの感想で、「母乳の出をよくするために妊娠中にやっておくと良いことはありますか?」と質問がありました。特にこれといった特別な方法はないのですが、いくつかおすすめがあります。それは、ブラジャーをなるべくつけないこと。特にワイヤー入りでがっちりおっぱいを圧迫するのは身体に良くありません。又、ワイヤーで乳腺を常に圧迫すると乳がんのリスクが上がるという研究報告もあったりするので、健康のためにもなるべく乳房を締め付けないようにすることをお勧めします。又、特別な栄養方法で、これを食べたらおっぱいが出ますという方法は無いのですが、食物酵素を摂るために積極的に生野菜や果物をとることをおすすめします。毎食食事の最初には生野菜を摂ると良いでしょう。

ゆいクリニックでは助産師さんは皆、BSケアというおっぱいケアの方法を学んでいます。そして、妊婦さんにもBSケアでの乳房ケアの方法をお伝えしていますが、これをやらなかったらおっぱいがうまく出ないというものではないので、もし妊娠中にケアがあまり出来無かったとしても気にする必要はありません。

母乳育児がうまく行くようになるためのコツとしては、お母さん自身が、母乳育児のことをたくさん知っていることが大切だと思います。色んな場面でおっぱいをやめた方が良いとか、人工乳を足した方がよいと言われることがありますが、そんなとき、「ちょっと待てよ、本当におっぱいをやめた方が良いのかな、ミルクをあげた方が良いのかな」と正しい知識と照らしあわせたり、母乳育児の専門家(必ずしも医師や看護師保健師が母乳育児の専門家とは限りません。)に相談するという事ができると母乳育児が続けやすいと思います。おっぱいだけでは足りなくてミルクをあげたとしても母乳の赤ちゃんへの免疫力やIQなどの健康のメリットは量依存性です。赤ちゃんがおっぱいを飲めば飲むほど、赤ちゃんはより健康になり、頭も良くなります。なので、おっぱいだけでは足りないときには、ミルクも足しながら、できるだけ長くおっぱいをあげることがおすすめです。また離乳食が始まったら、おっぱいはそのままあげて、ミルクを少しずつ減らしていくと、そのうちごはんとおっぱいでミルク不要になっていくと思います。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。