お尻は洗っちゃダメ!

便秘の8割はおしりで事件が起きている!

佐々木先生のオススメ:
  • 便ためトレーニングをしない!
  • 下剤を飲まない!
  • 温水洗浄便座を使わない!
  • 10万人以上の便秘難民を診てきた肛門科医が伝える
  • 「出口の便秘」の治し方「便秘外来を受診したけれど治らない」「腸活しているのに治らない」……。「便秘=腸が原因」という思い込み。それによって、出口(直腸・肛門)が便秘になのに、腸活をして便秘を悪化させているパターンがとても多いとのことです。便をつくる場所で起きている「おなかの便秘」と、便を出す場所で起きている「出口の便秘」を、消化管の役割の違いから区別してわかりやすく「出口の便秘」の対処を説明してくれています。便秘で悩む人の8割以上が実は「出口の便秘」だということで、その解決方法が分かります。

排便を我慢する便ためトレーニング

直腸に便が移動して、直腸の内圧が高まると、その刺激が直腸の壁から神経に伝わって、脳に伝達されます。そうすると便意として感じられます。排便の用意がととのって、排泄の指令が出るとお腹の筋肉が緊張して、肛門をしめている肛門括約筋がゆるんで便の排泄が行われます。でも腸に便がたまっても、まだ排便ができない状態だと脳が判断すると、我慢する指令をだして肛門括約筋をしめて、便意は消失します。こうして便が直腸にたまってもトイレに行くのを後回しにする「便ためトレーニング」をすると、便意は15分ほどで無くなります。でも、直腸におりてきた便は、出さない限りそこにあり、出口ので残り便を作り出してしまいます。「出口便秘」が慢性化すると、切れ痔や便が肛門について下着を汚してしまう、といったことも起こります。便秘なのに、便を出そうと身体が頑張った結果、水分が十分吸収されないゆるい便が出口の便をすり抜けて出ることも起こります。

毎日便が出ていても便秘!

出口便秘だと、腸に便がたくさんたまっているので、毎日便がでているため、自分が便秘だと気づかない人もたくさんいます。一日に何度も便が出ていても腸に便がたくさんたまっているという人は結構います。私は婦人科の診察で腟から超音波で子宮と卵巣を観察することが多いです。その際に子宮の後ろの直腸や子宮のまわりの腸にたくさんの便やガスがたまっているのをみることがよくあります。毎日排便があると、便秘と思わない人が多いですが、どんどんたまっている便が押し出されているだけで、腸の中に便がたくさん残っていたら、それは便秘なのです。

理想的な便の状態

健康的な便は、約70%が水分で出来ていて、水分が90%以上になると軟便に、60%以下だとコロコロ便になります。理想の便は、いきまなくてもするりと出て、表面がなめらかで歯磨き粉より少し硬めの便です。便の量は食べた量にもよりますが、一般的には一日100~200g程度、バナナ1本分程度の排便量が平均的と言われています。便の量は、腸内細菌によるので、便の量が多いと腸内細菌がたくさんあるという事になります。また、便の臭いがある場合には、腸内環境が悪い可能性があります。便の臭いは、悪玉菌がタンパク質を分解するときに作られる、インドールやスカトールが原因です。腸内環境が良いと便の臭いは強くないですが、腸内環境が悪かったり、タンパク質を摂り過ぎると臭いが強くなります。肉の取りすぎも便臭を強くしてしまいます。便の中に未消化なものが残っていたら、消化能力が悪いという事で、腸内環境も悪いことが考えられます。便は身体からのお便りです。是非、便をしっかり観察しましょう。

温水洗浄便座(シャワートイレ)使わないで!

出残り便が肛門内にあると、温水洗浄便座で洗って、きれいにしようとしがちですが、逆に使用することで、温水洗浄便座の温水が肛門の中に入り込んで、肛門内の便と混ざり合って、便汁として出てきてしまうことが起こりえます。便失禁だと心配して病院受診すると、特に肛門のしまりには問題なく、実は、出口に便がたまっているのが問題なので、それを出し切るようにしさえすれば良いのです。温水洗浄便座の刺激で便を出すようにすると、温水洗浄便座がないトイレでは排便できない「温水洗浄便座依存」になってしまいます。

おしりは洗いすぎないで!

肛門のまわりの皮膚は、とてもデリケートです。シャワーの強い水圧や、石けんなどの刺激を受けると簡単にダメージを受けてしまいます。洗いすぎで、皮膚に炎症を起こしてしまいます。皮膚にはバリア機能があるので、それを壊さないように、洗いすぎない方が良いです。

身体にも石けんは使わない方がよい。

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外陰部も石けんをつかったり、洗いすぎないで!

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ビデも使わないで!

外陰部は洗いすぎない方がよいので、温水洗浄便座のビデ機能で、外陰部や膣内を洗わないようにしましょう。ビデを使用して、膀胱炎を繰り返してしまっていたという報告があるそうです。膀胱炎から腎盂腎炎をおこしたりする可能性もあります。また膣炎もおこす可能性があります。妊婦さんが早産になったというケースの報告もあります。お尻も洗わない方がよいですが、外陰部や膣内も洗わないようにしましょう!

温水洗浄便座で感染が起こる

公共の温水洗浄便座は感染が心配なので、使わないようにしましょう。様々な感染症や性病のリスクが考えられます。

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温水洗浄便座の使い方

温水洗浄便座は使わない方が良いのですが、どうしても使いたいという場合には、一日一回までにしましょう。下記の注意点を守って使いましょう。それ以上使うと皮膚のよい菌が洗い流されて肌荒れを起こしてしまいます。また皮膚のバリア機能が失われて、様々な菌に感染するリスクも増します。

温水洗浄便座使用ルール
  1. 水温は人肌以下
  2. ゆるい水圧
  3. 3秒以内
  4. 温風乾燥はしない
  5. 公共のトイレ(ホテルなどの個室なども要注意)では使用しない

正しいお尻のお手入れ方法

  • 温水洗浄便座を使わない
  • 入浴時に石けんで洗わない
  • 肛門にシャワーを直接あてない。
お尻の拭き方
  • 3回以上ふかない(それでも紙に便がつくならぬるま湯座浴)
  • お尻ふきやウェットティッシュを使わない(市販品は消毒液で皮膚のバリアを壊してかぶれます)
  • 消毒しない(アルコールの刺激は皮膚をあらして痛みが起こります)

ながらトイレやめて!

トイレスマホしていませんか?トイレでスマホをいじって、5分10分と時間がたってしまうことも。5分の短時間でもながらトイレをつづけると痔になりやすくなります。便意が無いのに、ながくトイレに入り続けるのは健康にマイナスです。便意が無いのにトイレにいっても便は出ません。無理にいきむと痔になりやすくなります。また、便座に座ると肛門が座面より下になり、おしりに負担がかかってしまいます。理想的にはトイレは5分以内。便意が無かったら、いったんといれからでて、便意を感じてからトイレに行くようにしましょう!

便秘対策

良い食事をして、しっかり睡眠をとり、適度に運動をして、身体を冷やさない(温める)、ストレス対策、これらを行いましょう。また便意を感じたら我慢せずにトイレに行くようにしましょう。

腸内環境改善

腸内環境を良くして、健康でいるためにするべきこと。

コーヒーエネマ

コーヒーエネマについて-腸内洗浄、腸内デトックス

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。