先日、日本統合医療学会で、ホメオパシーについて発表しました。メディカルホメオパシー学会の板村論子先生からのお誘いだったのですが、ホメオパシーを紹介するよい機会をもらいました。
ホメオパシーについて
統合医療学会
統合医療とは、西洋医学と補完・代替医療(CAM)を組み合わせた医療を提供する治療の考え方です。西洋医学で不十分な部分を、補完代替医療で補うことがよりよい治療につながると考えられます。統合医療学会では、様々な補完代替医療を行っている医療者があつまって、一般的な西洋医学だけで無く、様々な治療法を用いて、治療を行っていくことを紹介しています。私はホメオパシーについて紹介させてもらいましたが、同じシンポジウムセッションでは、漢方や、ヨガを用いて治療を行っている先生方の発表もありました。今回の学会の発表では、ゆいクリニックで行っているホメオパシーについての効果について紹介しました。このコラムではつわりのホメオパシーの治療効果について紹介します。
つわりの治療
つわりは、吐き気や嘔吐が妊娠初期におこる状況ですが、体重が減ったり、脱水が起こる場合には、妊娠悪阻といって、積極的な治療が必要になってきます。一般的には、制吐剤などの投与や輸液やビタミン剤投与などの治療が行われるが、症状改善が期待できる確実に有効な治療法がないのが現況である。原因もはっきりしていません。
つわりに関してのコラムと動画
つわりなんてこわくない!
つわりですっぱい物がたべたくなる?!
つわり対策
ゆいクリニックでのつわりの治療
- ホメオパシー、漢方、点滴治療、これらを組み合わせて治療を行っています。
- つわり症状対策に食事指導も行っています。
- 体重減少が著明にあり、脱水症状がある場合には、妊娠悪阻で病的な状態なので、ビタミンB1欠乏症によるウェルニッケ脳症予防のために必ず点滴によるビタミン投与はを行います。
ホメオパシーでのつわりの治療効果
つわりのホメオパシー治療例241例中、半分以上の効果があったのは95例で約4割、少しだけ効果を感じたのは65例で約3割という結果でした。他は変化がなかったか、ホメオパシー開始後に、症状が余計にひどくなったという方でした。
つわりの治療例
- 29歳 X年5月1日妊娠21週に食後に嘔吐する、一日2,3回、げっぷが出た後に吐き気がある。吐いても吐き気は良くならない。吐きたいけど吐けない。朝吐き気と嘔吐がひどい。空腹時に吐き気がある。食べた後に嘔吐する。立っているときに楽になるときもあれば横になっていて楽になることもある。喉が渇く。などの訴えが有り、ホメオパシーのレメディを処方。コンピューターレパートリゼーションを行ってPulsatilla 30c朝晩2回と頓服内服開始5/9ほぼ症状改善しました。
- 36歳、妊娠8週、つわり問診票の症状から、Sepia30c処方。翌週受診時症状は半分改善しました。
- 38歳、妊娠7週、倦怠感と吐き気が有り、食べていないと吐き気がして、空腹で悪化する吐き気の訴えがありました。Nux-V 30cと小半夏加茯苓湯を処方。2週間後には、8割以上症状改善がみられていました。
ホメオパシーは西洋医療を補完する。
西洋医療だけでは改善出来なくても、ホメオパシーの併用または単独の治療で、症状の改善が期待できる場合がある。
統合医療学会で、他の発表の先生と座長の板村論子先生と一緒に記念撮影