遺伝子組み換え食品
大豆、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、ワタ、テンサイ、パパイヤ、アルファルファ、 カラシナ。 これらのGM作物は、食用油やコーンスターチ、コーンシロップなどの食品や、家畜の飼料などに幅広く利用されています。 日本国内では、観賞用の花(青いバラなど)を除き、商業的なGM作物の栽培はされていません。そのため、日本で食品として利用されているGM作物はすべて外国からの輸入によるものです。
GM作物の安全性は、農林水産省が栽培の承認、消費者庁が食品としての安全性の確認を行っています。また、2001年4月1日以降は、安全性審査を受けていないGM作物や、それを原材料に用いた食品の輸入や販売は法的に禁止されています。
遺伝子組み換え食品をあたえたネズミの実験
90日間のマウス実験に基づいて、遺伝子組み換えトウモロコシをあたえても癌は増えないので安全とされていた。遺伝子組み換えトウモロコシをマウス200匹に2年間あたえつづけたら癌がどんどん見付かり、発がん性との関連性が示された。がんは90日では発生しないので、長期の観察が必要だった(フランスのFood and chemical toxicology vol.50 2012で発表された。)
論文掲載後の撤回
2012年論文掲載後、学会掲載した学会誌と出版元の会社に遺伝子組み換え農産物の販売会社から批判書が送られた。学会誌は特別な編集委員会を開催して、その編集員長は、元遺伝子組み換え農産物販売会社の研究員が就任し、その後、学会は、論文に対して、実験の対象マウスの数が少ない、実験に使われたマウスの種類がもともと癌になりやすい種類だったなどと理由をつけて、論文を撤回させた。後にこの論文は別の学会誌で受理されて掲載されている。
遺伝子組み換え牛成長ホルモン「BST(rBST)」
乳牛に注射する成長ホルモン。遺伝子組み換え技術でモンサント社が大量生産することに成功して、アメリカで販売され始めた。この成長ホルモンを投与された乳牛の牛乳をとり続けると、乳がんや前立腺癌が増えるという報告がでた。日本では遺伝子組み替え使われていないが、アメリカで使われない遺伝子組み換えホルモン投与された牛乳は輸入されている。
加工品に使用される遺伝子組み換え食品
加工品に使われている遺伝子組み換え食品には、遺伝子組み換え食品だという表示義務が無い。できるだけ、出所が分かる食材を食べる方が安全。
鈴木宣弘先生(農業経済学と国際経済学を専門とする経済学者)
著書:
「世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか」、
「国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係」