タンパク質のとり方④どれだけ食べた方がよいのか

タンパク質をどれだけ食べるべきか。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、成人女性では50gが1日のタンパク質の推奨量です。これは、1日に排泄されるタンパク質を補い、筋肉などの体タンパク質を十分に維持するための平均的な摂取量として設定されています。また、アメリカやカナダでは、体重1kgあたり0.66gのタンパク質を摂ることが推奨されています。栄養をしっかり摂るためには体重1kgあたり1gを一日摂取量の目安として勧められています。妊婦さんや子ども、外傷後などの回復期には体重1kgあたり2gを目安という意見もあります。

妊娠中はさらにタンパク質が必要

  • 妊娠中は胎児が急成長しているため、妊娠中期は+5g/日、後期では+25g/日のタンパク質が望ましいとされています。つまり、妊娠中期(妊娠14週から27週)では一日に55g、妊娠28週から出産までは一日に75gのタンパク質を摂ることが勧められています。

妊婦さんは二人分食べるのか。

エネルギーは2倍食べる必要はないけど、しっかりと栄養を摂っていかないといけない。ビタミン、ミネラル、タンパク質などは必要量がとても多くなる。妊娠中などの特別な場合にはサプリメントの活用も必要かもしれない。

摂りすぎはNGだけど、足りない人が多い

タンパク質は身体に大切な栄養ですが、プロテインサプリでとると摂りすぎる場合があります。摂りすぎは腎臓に負担がかかりすぎるので、身体に良くないのですが、足りない人の方が圧倒的に多いです。

ヘンププロテイン

プロテインサプリメントについての質問:アミノ酸スコア100と謳っているプロテインも、やはり吸収されにくいのでしょうか。

 

どんな食品にどのくらいのタンパク質がふくまれているか。

手のひらのサイズ100gくらいの肉や魚に約20gのタンパク質、豆腐100gに7g、卵一個7g、納豆一パック40gに7g、毎食タンパク質豊富な肉や魚を手のひらサイズで食べると一日約60gくらいのタンパク質がとれることになります。

忙しかったら、コンビニでおにぎりやパンだけを食べるのでは無く、サラダチキンやゆで卵を食べましょう。

未消化のタンパク質は、大腸で有毒アミン、アンモニア(毒素)ができる。

便が臭い、お腹が張るなどの症状があるとタンパク質が消化できていないかもしれない。特に肉は要注意です。

タンパク質のとり方③どうやって食べると良いか。

スープを、ボーンブロスや魚のあら汁や、煮干し出し味噌汁にする

ボーンブロススープは、英語でbone brothと書きます。boneは「骨」、brothは「出汁」という意味で、牛や豚、鶏の骨などをじっくりと煮込んでとったスープのことです。骨から溶け出してきたミネラルが豊富で、タンパク質が分解された形のアミノ酸もとることが出来ます。また、魚のあら汁は、あらを食べずに汁を飲むだけでも、たくさんのミネラル、コラーゲン、アミノ酸がとれます。このようなスープを作ることが出来無い人には、煮干し出し味噌汁がお勧めです。煮干し出し味噌汁をインスタントでお湯を注ぐだけで飲むことも出来ます。煮干し出し味噌汁は汁だけで無く煮干しの粉も一緒に食べて下さい。

味噌玉のすすめ(インスタント煮干し出し味噌汁)

煮干し粉、ウドズオイルまたはエクストラバージンオリーブオイル、味噌を1対1対3の割合で混ぜる。大さじ一杯分を小分けにして冷蔵で保存しておく。保存期間は冷蔵で2~3日、それ以上置く場合は冷凍しておく。汁椀に味噌玉をいれてお湯や野菜の煮汁を注ぐだけで栄養満点インスタント味噌汁がとれます。熱で味噌や煮干し粉の栄養が壊れていないので、効率よく栄養がとれます。味噌を野菜スティックにつけて食べてもおいしいです。

※味噌汁のお勧め具材:とろろ昆布、花エビ(桜エビ)、ゴマ、アオサ、ネギ、わかめ、豆腐、器にいれて味噌玉と一緒にお湯を注いで栄養満点の味噌汁できあがりです!

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。