問い合わせがありました!発芽玄米と雑穀米について

発芽玄米について。

先月から健康のためにとファンケルの発芽玄米を購入して食べています。サイトの記事を拝見しましたが市販の発芽玄米は発芽させたあとに乾燥させているので避けるようにとの内容です。目から鱗でした。購入元の情報では栄養価が高いとあり期待して購入しましたが、他の食べ物の栄養吸収を邪魔してしまうなら期待ができませんね。あと、雑穀米も食べていますが、メリットしか紹介されていないため信じて購入しています。こちらもデメリットなどご存知でしたらご教示いただきたいです。

答え:植物の種には酵素の働きを邪魔する力があります。水につけて発芽させるとその酵素阻害作用が解除されます。水につけないと酵素阻害作用によって他の食べ物の栄養吸収を邪魔してミネラル不足(鉄欠乏性貧血など)になってしまうことがあるので、必ず水につけて発芽させてから食べるようにして下さい。
発芽させた後に乾燥させると再度お米が酵素阻害作用を強力に持ってしまうので、発芽したあとお米を乾燥させずにすぐに炊いて下さい。市販の発芽玄米は発芽させた後に乾燥させていますので避けましょう。発芽玄米は、玄米を水につければ簡単に自宅で作れるので、自分で水につけて発芽させて食べるのがお勧めです。室温でも気温が低いと十分に発芽しない場合もあります。

玄米発芽前

玄米発芽後

詳しくはこちらのコラムで発芽玄米作り方説明しています。

玄米ご飯のすすめ

発芽させた玄米をつかった「まるざ古代もち」というお餅があり、このお餅に関する本にも詳しく発芽玄米のつくり方が書かれていました。

「からだも心も幸せになる古代餅 新・玄米の食べ方」山川 瑞穂 (著)

この本では、結構温度管理など細かく書かれているのですが、かなり面倒なので、ある程度ずぼらで良いかなと思います。玄米を水につけておくと発芽させて炊いてくれるという高い炊飯器も売られています。この炊飯器については玄米を炊き方を色々検討したときに、使用も検討して調べました。この炊飯器を採用しなかった理由は、玄米を水につけたときにその水の中にも有害物質が溶け出しているという話しがあったので、浸水させた水は替えてから炊きたいと思ったので、購入しませんでした。玄米をお水につけて、普通の炊飯器で炊くのが簡単です。でも、炊飯器の内釜のテフロン加工が気になりますよね。これについては加工のない炊飯器がありませんでした。一番良いのは土鍋で炊いてそのまま食べるという事になりますが、そこまで出来ないので、自宅では内釜のテフロン加工には目をつぶって炊飯器を使っています。ちなみにゆいクリニックのキッチンでは、でっかい圧力鍋でたいて、ごはんの保温器で保温しています。

雑穀米について

雑穀米についてのデメリットは特に分かりませんが、雑穀は単独だとかなり高いので、色々とやすい物をまぜてかさ増ししている物が多いです。ネットで検索すると発芽16雑穀という商品がありました。原材料に、発芽もち玄米、発芽はだか麦、胚芽押し麦、発芽青玄米、発芽もち黒米、発芽もち麦、発芽ハト麦、発芽もち赤米、発芽もちきび、大豆、発芽もちあわ、発芽小豆、発芽ひえ、青大豆、黒大豆、発芽とうもろこしとあり、一番多い材料はもち玄米、それにはだか麦や押し麦など比較的やすい米や麦があり、多分もちきびやひえは少量ではないかと思います。このわずかな雑穀をごはんに混ぜて炊いても、大して栄養はとれないように思われます。一袋25gで、25袋で3300円くらいでネットで売られていました。その他の商品では、雑穀米として、‎雑穀米 (黒米、赤米、緑米、発芽玄米、押し麦、ひえ、きび、あわ) という商品もありました。これは1kg¥2,731 ( 2,950 税込 )でした。こちらの方がまだ量も調整できて費用的にもお安いように思います。

ゆいクリニックでは、ひえ、きび、あわ、黒米、赤米などを、無農薬栽培して販売しているところから雑穀をそれぞれ購入して、ごはんを炊くときに混ぜています。雑穀米は何を使うか選んで、米に混ぜて炊くのがお勧めです。小袋わけされたのはお勧めしません。また、白米にわずかに雑穀を混ぜるよりは、水につけて発芽させた玄米や、玄米が食べにくいと感じる場合には、七分づき米に雑穀を混ぜるのをお勧めします。

七分づき米のすすめ

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。