妊娠中のコーヒーエネマ

質問①:現在妊娠5か月です。お腹の圧迫が気になります。妊娠前と同様に同じ量でコーヒーエネマを行っても胎児に影響はないでしょうか?

質問②:コーヒーにはカフェインが含まれますが、体への吸収や胎児への悪影響はないでしょうか?

質問①答え:妊娠前と同じ量を行って問題ありません。

質問②こたえ:コーヒーにカフェインが含まれるので、妊娠中の摂取はお勧めしませんが、コーヒーエネマではカフェインをそのまま身体に吸収することは無く、胎児への悪影響は心配有りません。

コーヒーエネマ~腸内洗浄とは

コーヒーエネマは80年ほど前に、マックスゲルソンという医師によってはじめられた「ゲルソン療法」の中で用いられる治療方法です。ゲルソン博士は長年偏頭痛に悩んでおり、西洋医学で治療しても治らなかった自分の偏頭痛を、新鮮な野菜と果物のジュースをとりながらコーヒーエネマでなおしました。そしてその治療を応用してゲルソン療法が出来ました。
¨ゲルソン療法は独自の食事療法とコーヒーエネマを柱とした治療法で、腸の働きを正常に戻して、肝臓の働きを回復させ、身体の解毒を徹底して行うことに重点を置いています。

コーヒーエネマについて-腸内洗浄、腸内デトックス

妊娠中の便秘

妊娠すると、プロゲステロンという女性ホルモンがたくさん分泌されます。このプロゲステロンは、腸の動きを悪くして、便の水分を吸収させて、硬い便になるような働きをします。妊娠初期には、悪阻で食べ物や水分が十分にとれなくて便秘となってしまう場合もあります。また子宮が大きくなってくると、腸の動きが邪魔されて、ホルモンの働きにくわえて、さらに便秘がちになります。

妊娠中のコーヒーエネマ

妊娠初期の悪阻の時期から妊娠後期まで妊娠中全期間を通して、妊娠中の便秘だけで無く、デトックスのためにコーヒーエネマはお勧めです。ただし、コーヒーエネマは身体から酵素を奪ってしまうので、しっかりと栄養補給をする必要があります。

酵素の補給:生野菜を使ったスムージーまたは食物繊維をぬいた野菜ジュースなどで酵素がとれます。コーヒーエネマを用いた癌など難病の治療を行ったゲルソン療法では、多量の生人参ジュースをのんで酵素を補うようにしています。

妊娠中のエネマ:また、妊娠中期以降からコーヒーエネマを始める場合には、大きくなってきた子宮で、エネマが逆に苦しいと感じる場合もあるかもしれません。妊娠前からコーヒーエネマを行っている場合には、同じように続けてもらって構わないのですし、妊娠中からコーヒーエネマを始めても問題ないのですが、エネマを行ったときの自分の身体の感覚でとても不快に感じるようでしたら、エネマを無理に続けないようにしてください。ただ、妊娠中の便秘でお腹がはって苦しく、息まないと便が出ない状況であれば、無理にいきむよりコーヒーエネマでデトックスしながら便秘解消させた方が、妊娠中の体調改善につながると思います。妊娠して子宮が大きくなってきたからといって、腸の容積自体が変わるわけでは無いので、子宮が大きくなってくる妊娠後期にもコーヒーエネマの際のコーヒーの容量を変える必要はないです。

お産の時のエネマ:お産の際に浣腸(エネマ)をして陣痛を増強させるという処置が昔からされていました。ゆいクリニックではお産中にエネマを勧めることは滅多に無いのですが、時々ひどい便秘の人にはお産が始まってからエネマを勧める事があります。そのような方に特にエネマをしたからお産が進むという事は無いかと思います。(お風呂に入るのはお産を勧める効果があると思います。)ただ、その昔からの習慣から、エネマが陣痛誘発と関連するという考え方があります。化学的に薬剤を使って腸蠕動を無理矢理うごかすような薬を使うと、子宮収縮を増悪させる可能性は絶対無いとは言えないので、便秘薬は妊娠中禁忌(妊娠中使ってはいけない)という薬がいくつかあります。

コーヒーエネマで陣痛誘発したり、切迫早産は起こらない:コーヒーエネマは、そのような薬剤と違って、無理矢理腸をうごかすこと無く、腸内デトックスをして、腸内環境改善出来ますし、腸蠕動を過度に亢進させるようなことはないので、コーヒーエネマを行ったから子宮収縮が増えてしまうという事は無いと思います。

栄養と切迫早産

ミネラル不足は子宮収縮増悪と関係する可能性があります。マグネシウムや亜鉛、鉄、カリウムなどは不足しがちで、子宮収縮増悪や高血圧などの病気との関係も考えられます。しっかりと栄養をとりましょう。またビタミンDもとても大切な栄養です。

ビタミンD

妊娠したい人と妊婦さんにとっても大切なビタミンD

コーヒーエネマのカフェイン

コーヒーには多くの化学物質が含まれていてカフェインなどの刺激物質も含まれている。カフェインは中枢神経を刺激する物質で、コカインと似ている。心臓の鼓動速度を速め、血管異常、冠動脈の異常、血圧上昇、他多くの病気と関連している。カフェインは膵臓にインスリン分泌を強いるため、血糖コントロールの異常を起こさせる。口から飲むとコーヒーの化学物質が腸に棲む腸内細菌に悪影響を与える。でも、腸にコーヒーを注入すると、腸の中の悪玉菌をやっつけて腸内環境を整えてくれます。カフェインを摂取することは妊婦さんもそうで無い人もお勧めしませんが、コーヒーエネマのカフェインは直接身体に吸収されずに腸内環境改善してくれるので、問題ありません。

カフェインについて、動画パート①とパート②あります。

カフェインは毒ですよ!

腸内環境改善

腸内環境をよくしましょう!

腸内環境改善についてのアドバイス

腸内環境を良くしましょう~乳酸菌生成エキス「アルベックス」の紹介

腸をよくする食べ物

妊娠中の便秘治療

緩下剤や漢方薬などの薬が使えます。

刺激性下剤は耐性ができるため、妊娠中で無くてもおすすめしません。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。