ダイエットのためにやるべきこと!

専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド

著者の尾形哲先生は肝臓外科の専門の先生です。生体肝移植の際は、肝臓に10%の脂肪があってもドナーになれないため、短期間で脂肪肝を改善する減量指導をずっと続けてきました。命にかかわるダイエットなので、みるみる減量に成功するさまを何度も経験されてきました。このノウハウを生かして2017年に佐久市立国保浅間総合病院に「スマート外来」が開設されました。尾形先生と、糖尿病の専門医の先生が担当しているスマート外来では、3か月で6キロ程度の体重を落とし、しかも、無理せず続くのでリバウンドもしにくい食事術を指導されました。この指導により、8割の患者がダイエットに成功しているそうです。

肝臓の脂肪はもっとも落としやすい脂肪

肝臓の脂肪は、内臓脂肪より、皮下脂肪より、最も落としやすい脂肪です。
案外知らない人が多いのですが、脂肪分を控えても、お酒を飲まなくても、肝臓に脂肪が貯まっている人が増えています。
尾形先生は、科学的根拠に基づいた、「スーパーで買える食材で」「一番落としやすい肝臓から脂肪を落として」いく方法を伝授されています。
これまでいろいろなダイエットに着手しては続けられなかった人でもやせています。

そのノウハウから、やせるためにお勧めする実践をご紹介します。

肝臓をいたわって健康的にやせる!お勧め7ヵ条

  1. 一日一回体重を記録する
  2. 飲み物は水かお茶でノンカフェイン、(砂糖や人工甘味料無し)
  3. ごはんを半分にする
  4. 野菜を2倍にする
  5. 大豆、魚、鶏を優先的に食べる
  6. 超加工品を減らす
  7. 運動を一日10分以上行う。

スマート外来での指導

一ヶ月で2kg減量、3ヶ月継続して6kg減量を達成し、6ヶ月維持する。(80kgの人の場合)、最終的には、7%の体重の減量を目標にするので、自分の体重に当てはめて計算して目標設定しましょう。朝と夜で体重は1~2kg変化したりします。食べる量や水分量、便秘の有無でも違うので、体重測定は時間を決めて行いましょう。一ヶ月で減らす体重は2~3kg以内にしましょう。体重だけで無く、体脂肪率も大切です。体脂肪も測れるデジタル体重計はお勧めです。※ゆいクリニックでは体脂肪や筋肉量、余分な脂肪の量が数値で具体的に分かる体組成計計測が出来ます(費用1000円=2024年現在)

準備する物

体重計、キッチンスケール、体重記録表、

目標を立てる=目標体重は7%の体重減少、可能なら10%の体重減少を目指す。3ヶ月で6kgの体重減少を目指す

私は今体重○kgです。これから3ヶ月(12週間)後○月○日までに○kgになります。

ただし、一ヶ月で減らす体重は2~3kg以内でよい。

1.一日一回の体重測定

3ヶ月頑張って体重を減らしてその体重を維持する。短期間に体重を減らすためにその間の毎日の体重測定。測った体重を毎日記録して、グラフにする。最初の3ヶ月頑張ることで、習慣をつける。自分の状況を把握する。一日の間で体重は変動するので時間を決めて体重測定。朝起きてトイレに行った後がお勧めです。毎日体重測定をして体重の変化が無ければ、食事量が多いのと活動量が少ないという事です。

2.飲み物は、砂糖や人工甘味料を含まない水かお茶、ノンカフェインがおすすめ。

スポーツドリンク500ml中にはスティックシュガー(1本3g)約10本分の砂糖が含まれています。100%野菜ジュースでも糖分がかなり含まれます。ゼロカロリー飲料(人工甘味料含む)の場合には、人工甘味料の問題点が考えられるので避けるべきです。

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3.ごはんを半分にする

糖質を減らす。ゼロにはしない。一日の糖質量を130g以内にする。一食あたりの主食はごはん70g、食パン60g(6枚切り1枚)、ラーメン60g(生麺1/2玉)、オートミール50gが目安。キッチンスケールで測る。出来れば玄米お勧め。小麦は避けて。玄米でもごはんは茶碗半分まで。

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4.野菜を2倍にする

白米やパンなどの精製されたタンパク質を半分にして、野菜は倍食べましょう。野菜350gで一日に摂取した方が良い食物繊維20gがとれます。野菜はできれば生で摂った方が酵素とビタミンがとれて、食べ過ぎも防げます。ただし、芋、かぼちゃ、トウモロコシは糖質が多いので、主食として食べるようにしましょう。

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5.大豆、魚、鶏を優先的に食べる

やせるために、糖質控えめ、タンパク質と野菜(食物繊維)をしっかりとることがお勧めです。ただし、タンパク質を過剰にとると腎臓に負担がかかりすぎます。一食20gのタンパク質をとって、40gは超えないようにしましょう。1日量の目安は現在の体重かける1.3倍が上限です。ただし、厚生労働省は成人女性で少なくとも50gはとるように勧めています。体重50kgの人であれば、最低50g、上限65gとなります。

肉はあまりお勧めしません。肉より魚が動物性タンパクとしてお勧めです。肉をとるなら鶏がお勧めです。赤身の牛や豚の肉は、過剰にとると、心血管に負担がかかって、心血管障害が心配されますし、癌のリスクも高まります。

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6.超加工品を減らす

超加工品とは、糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料など添加物をくわえて、工業的な過程を経て作られる。常温で保存できたり、日持ちをよくしてある食品。例:スナック菓子、菓子パン、カップ麺、ハンバーガー、ケーキ・クッキー、ドーナツ、アイスクリーム、ミートボール、チキンナゲット、高カロリー清涼飲料水など。食べ始めるととまらず食べ過ぎてしまうように糖分、脂肪、塩分量が調整されている。

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7.一日10分以上運動する。

運動は食事の前後30分以内がお勧めです。筋肉内のエネルギー源であるグリコーゲンを運動で消費することで、食後血糖値の上がり方を減らす事が出来ます。運動を続けると筋肉量を増やすことが出来て、やせやすくなります。食事から得る以上のエネルギーを運動で消費しない限り、体脂肪を減らせない。食事を減らして運動をする。

お勧めの運動:有酸素運動と筋トレ

スロースクワット:ゆっくりと7秒かけて床と太ももが平行になるまでしゃがみ、またゆっくりと7秒かけて立ち上がる。10回を一セットとして1分休憩をはさんで一日3セット。

プランク(体幹トレーニング):うつぶせになった状態で前腕と肘、つま先を地面につけてその姿勢をキープする。横から見たときに方から足首までが一直線になるように身体を支える。ゆっくりと呼吸しながら20秒キープ、10秒休憩を一セットとして3セット行う。できれば30秒キープとする。

スローステップ(ゆっくり踏み台昇降運動):ゆっくりと右足、左足の順に台にのり、また右足、左足の順に台からおりる運動を繰り返す。10分から15分連続して行う。スクワットの方が身体への負荷は大きいけど、膝や腰が痛くてスクワットが出来無い人にお勧め。台の高さは20cmほどで、特に専用の台を購入しなくても良い。

インターバル速歩:3分早歩き、3分ゆっくり歩きのウォーキングを繰り返す運動。能勢博先生提唱の運動。通常のウォーキングより筋力持久力が向上する。(また、スロージョギングもお勧めです。)

スロージョギングのすすめ:一日15分から始める簡単トレーニング

肝臓をいたわって、健康的にやせるためのお勧め7ヵ条に追加、

アルコールフリー、カフェインフリー、カゼインフリー、グルテンフリー、シュガーフリー=お酒、カフェイン、乳製品、小麦、砂糖を出来るだけ控えるようにしましょう。

ライフスタイルの転換

正しい食習慣と運動は体重を減らして、全体的な健康状態を改善するために、相乗効果を発揮して機能していきます。私たちは何を食べるかによって私たちの体重を正しくコントロール出来るのです。遺伝的な素因で太りやすい体質だったとしても、今どうやって生活しているか、何を食べているか、それによって遺伝子のスイッチのオンオフが可能なのです。

本当にやせるためのダイエット

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。