GI-MAP( GIマップ:qPCRによる腸内微生物叢DNA検査)

GI-MAPとは、

GIMAP便検査は、簡単にいうと腸の健康に影響を与える可能性のある微生物群を評価するための検査です。DNAベースの定量的PCR(qPCR)技術を用いて、腸管の病原体、ピロリ菌、寄生虫、腸内細菌のバランス、真菌、消化吸収能力などを全体的に検出して、さらにその量がわかります。この検査によって、他の検査では見つからない微生物を見つけることができます。ピロリ菌に関しては他の検査では陰性と診断されていたとしても、ピロリ菌感染を見つけることが出来ます。

GI-MAP検査のすすめ

自己免疫疾患、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、消化器系の不調、うつ病や不安、副腎疲労などの根本的な原因を特定し治療するのに役立ちます。

具体的には、消化器系の症状(下痢、便秘、腹痛、膨満感など)が中々良くならない、過敏性腸症候群や炎症性の腸の病気がある、アトピー性皮膚炎、副腎疲労、アレルギー疾患、自己免疫疾患、うつ、不安があるなどの症状がある方、抗生物質や、抗ステロイド性抗炎症薬を長期間内服されている方、腸内細菌叢のバランスや多様性について詳しく知りたい方、腸内細菌叢のバランスについて把握した上でそれにあった治療を受けたい方、等にはお勧めの検査になります。脳腸相関があると言われていて、精神症状に腸の状態が関係しているという事が分かっています。また自己免疫疾患との関連として、腸は免疫力にとても深いつながりがあります。

GI-MAP検査で分かること

悪玉菌:腸の感染症を引き起こす可能性のある微生物を測定します。検査では、細菌、寄生虫、ウィルスの3種類の病原菌を測定します。これらの微生物が体調不良に関連していることがあります。またピロリ菌についてはとても鋭敏に見つけることができ、GI-MAP検査はもっとも詳しいピロリ菌検査になり得ます。ピロリ菌が不調の原因になっていることがあります。ピロリ菌が見つかり、除菌することで、様々な症状が改善する可能性があります。

善玉菌:腸の中にはたくさんの細菌がいますが、最近のバランスや多様性も体調に関連します。少なすぎても多すぎても良い状態では無いのです。GIMAP検査では、善玉菌のDNAを特定し、菌のバランスや多様性の状態をチェックします。

日和見菌・真菌・ウイルス:日和見菌は善玉でも悪玉でもない菌ですが、免疫力がみだれたり、腸内細菌の状態が悪くなると、病気の原因となる菌と一緒になって身体の病気を引き起こす可能性のある菌です。炎症や自己免疫疾患とも関連することがあります。真菌はカビの一種で、カビが多いと体調不良につながります。また、ウィルスは自己免疫疾患と関連することがあります。

カビに関しては以下のコラムも参考にしてください。こちらのコラムではカビ検査難しいと説明していますが、GI-MAP検査ではカビについても調べることが出来ます。

お腹にカビがいるか調べられますか?

腸の健康マーカー:腸の健康の度合いを調べる検査も出来ます。

GIMAPの検査方法

検査キットに含まれる説明書に従って、便を採取して、保存液に入れます。

便サンプルを検査キットに入れて封をし、検査キットに含まれる返送用ラベルを貼り付けます。返送用ラベルが貼られた検査キットを発送します。

検査結果が出るまでに約1ヶ月要します。

検査費用

基本検査費用は、診療料金: 点滴療法, 水素療法, その他をご参照ください。*米ドル決済により、為替による料金の変動があります。

基本検査にオプション検査を追加することができます。オプション検査(ゾヌリン検査=リーキーガット症候群の検査、グルテンペプチド検査(グルテンフリーの食事がうまくいっているかどうか)、広範囲抗生物質耐性遺伝子パネル検査などを追加希望の場合には追加費用がかかります。※別途、初診料、再診料、検査説明料がかかります。

検査対象

小さい子どもからお年寄りまで、年齢を問わず検査可能です。自閉症や、発達障害、胃腸障害などでは、子どもにも有用な検査です。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。