妊活のために大切な養生

妊活のための養生(生活改善)

[養生]とは、国語辞典では、健康に注意して元気でいられるように努めることと定義されています。(引っ越しで運ぶ家具や運搬で壁を傷つけないように保護することも養生。)食事、睡眠、運動、身体を温める、ストレスを避けるというのは健康のための基本ですが、妊活にもとても大切です。不妊治療が保険診療になって、体外受精がますます身近になってきたと思いますが、体外受精を含めた不妊治療をするにしても養生はとても大切だと思います。

妊娠したい人のための準備講座

以前、妊娠したい人のためのアドバイスを下記にアップしています。

妊娠したい人のための準備講座-前編後編

妊娠したい人と妊婦さんにとっても大切なビタミンD

妊娠のための養生

高齢妊娠を目指す人へのお勧めの本「38歳でも妊娠力が高まる!最強の妊活」峯村静恵著。21時に寝るだけで妊娠の確率が近づく!簡単で最強の妊活

「待ったなし! 崖っぷち高齢不妊女性のための超スパルタ妊娠マニュアル」

高齢妊娠を目指す人だけでなく、妊娠したい人すべてに養生が大切だなと思うので、この本を紹介しました。

早く寝ることの大切さ

作者は夜19時半に寝て養生して、43歳で妊娠出産されたとのことです。「日の出と共に起きて、日の入りと共に寝ること」中国医学の古典「皇帝内経」に妊娠のためにこのように大切だと書かれているとのことです。

食生活や生活習慣を見直す

島袋のお勧め、栄養をとることも大切ですが、腸内環境を悪くする、砂糖、小麦、乳製品、食品添加物を避けることも大切です。

また、栄養をとろうとして、肉やサプリメントのプロテインをとっても消化不良を起こして、腸内環境が悪くなってしまいます。肉より魚、卵や豆などをローテートしてとるようにお勧めします。

【知っておきたい食事の知識】 砂糖、小麦、乳製品、食品添加物を控えましょう。

パンと牛乳はやめましょう!小麦編

パンと牛乳はやめましょう!牛乳編

【砂糖】に関連するコラムやYouTube

食品添加物の危険性(食品添加物に気をつけましょう!)

電子レンジやめて!

タンパク質のとり方①タンパク質の大切さ

タンパク質のとり方②お勧めの食材

タンパク質のとり方③どうやって食べると良いか。

妊娠したい人はお酒とカフェインを避けて。

お酒を飲んでいると亜鉛が不足してしまいます。亜鉛は妊娠するためにも妊娠した後にもとても大切なミネラルです。また、カフェインも妊娠したい人もそうで無い人も健康のためには避けることがお勧めです。もちろんタバコもやめましょう。家庭内の喫煙者にも禁煙してもらって、受動喫煙を避けましょう。

亜鉛について

煮干しだし味噌汁のおすすめ

カフェインは毒ですよ!

肉はあまりお勧めしない

なぜ肉は危険なのか!

加工肉は避けましょう!~活性酸素と肉食について

やせたければ肉をやめましょう!〜なぜ肉は危険なのか!Part2

先生の考えとして、レバーはいっさい食べない方がいいのですか?

最強の妊活作者:峯村静恵氏おすすめ「シーちゃんメソッド」

  1. 睡眠:腎気を養う早寝早起き
  2. 食事:気血をしっかりと養う、栄養満点の食事(タンパク質をしっかりとる)
  3. 疲れさせない:気血、腎気を無駄遣いしない(エネルギー発散を抑えて貯金)
  4. 抗酸化:身体の中から若返り(抗酸化生活)
  5. メンタル:気血をスムーズに流し、精神を安定させる

1.睡眠について:早く寝ることの大切さ

妊娠のために必要なエネルギーを蓄えるためにも、「日の入りとともに眠る生活は腎という生殖器と密接なところを養う」ということで大切なのだそうです。作者は19時半から朝の6時までぐっすり寝て体力を養ったとのことです。妊娠のためには睡眠がとても重要で、妊娠したい人はとにかく早く寝ること(妊娠したい人でなくても早く寝る方が睡眠の質が高まるのでお勧めです)。作者のお勧めは、30代は21時、40代は19時か遅くとも20時までに就寝とのことです。早く寝ることで、妊娠に必要なホルモン全般や、不妊原因になるようなホルモンのバランスの悪さを正すことが出来る。中医学の考え方から一日をみると、昼は陽、夜は陰です。23時から1時は陰がピークとなり、その時間以降徐々に陽が増加する。陰が収まらないと陽も発生できず、陰陽バランスを崩してしまいます。作者は忙しい時に23時に寝ていたら、卵胞が育たなくなるという経験をされたそうです。19時半に寝たからこそ妊娠することができたし、早く寝たから、基礎体温が整っていったのだそうです。睡眠時間の長さよりも就寝時間の早さが重要なのだそうです。夜は心静かに過ごし、腎気(ホルモン全般や若返りに関係する)を補うことが大切なのだそうです。また、早く寝ると成長ホルモンがしっかりと作られます。成長ホルモンは大人になってからも大切なホルモンで、身体の修復を行って、若さを保つことにも働いています。成長ホルモンは寝ている間、しかも深い睡眠の間に作られるのです。良い睡眠に大切なメラトニンは免疫力を高めて、細胞の新陳代謝を促します。朝起きてから14,15時間後に分泌され始めると言われています。早く寝ることでメラトニンはしっかりと作られます。また明るいとメラトニンがしっかり分泌されなくなるので、布団に入ってからスマホなどのライトを見ないようにしましょう。

2.食事について:タンパク質摂取の大切さ

高齢になっても出産できる人は、気血経脈が通じている人と中国医学の古典「皇帝内経」に有るそうです。気、血は食べた物から作られます。現代人の傾向として、炭水化物に偏った食生活をしている人が多いです。一食でもパンやおにぎりだけの食事をとってしまうと、食事バランスの悪さから栄養不足、特にタンパク質不足になってしまう傾向にあります。作者もタンパク質をしっかりとることが妊娠のために大切だと強調されています。

タンパク質のとり方①タンパク質の大切さ

タンパク質のとり方②お勧めの食材

タンパク質のとり方②お勧めの食材

ただし、肉や乳製品はあまりお勧めしません。

なぜ肉は危険なのか!

加工肉は避けましょう!~活性酸素と肉食について

パンと牛乳はやめましょう!牛乳編

3.疲れさせない(エネルギー貯金)

疲れは妊娠の大敵。仕事で気や精を使い果たしてしまうことになりかねない。忙しいと交感神経優位になって興奮状態のままで妊娠にはほど遠くなります。仕事も大切ですが、妊娠のための年齢の壁も考えて、自分の人生設計を検討する事も必要。仕事の時間を減らす、いったん休むなどの選択もありかと思います。家族にも協力してもらって、心身を休めて疲れをとり、エネルギー貯金をすることがお勧めです。趣味の登山などをお休みして、家事育児を夫に任せて休日もゆっくりするようにして、妊娠できた方の報告もありました。

4.抗酸化についての説明=酸化について

鉄がさびるのも酸化、切ったリンゴの色が茶色くなるのも酸化です。身体の酸化が多く起こるという事はそれだけ身体が老化を起こして様々な病気になる可能性が高まるという事です。酸化予防には、抗酸化物質の多い野菜や果物を食べると良いです。また、肉の脂や揚げ物をあまり食べないようにしましょう。野菜に含まれるファイトケミカルも抗酸化のためにお勧めです。

お勧めの食材:ココナッツオイル、海藻類、発酵食品、ファイトケミカル、ビーツ

また、抗酸化のために、砂糖、小麦、乳製品、食品添加物を控えることが大切です。

5.メンタル(精神安定)

イライラ、めそめそして怒りや不満不機嫌な状態は、気血の流れを滞らせて、妊娠から遠ざかってしまいます。妊娠がなかなか出来なくても気持ちを安静させて、妊娠出来無くても平常心を保つ事が大切です。瞑想のススメがあります。島袋は坐禅をお勧めしています。

座禅について

妊娠出産は終わりではなく始まり

妊娠を目標にしてしまうとその後の長い長い育児に耐えられないという事になりかねません。出産すれば、エンドレスに育児が待っています。また妊娠中の栄養がしっかりしていると子どもがとてもおちついているし、逆に母親の腸内環境がわるいと発達障害の子どもが増えるという報告もあります。妊活で健康的な食生活を開始したら、それを一生の食生活として、生まれた子どもの食生活も出来るだけ、砂糖小麦乳製品食品添加物なしの健康的な食事を食べさせましょう。妊娠中授乳期にお母さんが食べた物は子どもの味覚に影響するという報告もあります。是非しっかりと栄養をとれる食生活、しっかり睡眠をとって、待望の赤ちゃんを迎えましょう。

養生生活についての感想(最強の妊活)より

養生をするということは、日々の生活の中で二の次になりがちな自分の体を見つめ直し、大切にすることだと感じました。仕事をしたり、家事に追われていたりと、休む暇はありませんし、子どもがいればそれこそ24時間子どもの事で終わってしまいます。ついつい自分のことは最後、後回しにしてしまいがちですが、自分の事をきちんと大切にすることで、元気でいられるし、笑顔でいられるし、それにより家族もよりハッピーに毎日を過ごせるのだな、と気づかされました。21時30分就寝になってから、スマホをいじる時間が激減したことも「疲れさせない」という点でよかったと思っています。

妊娠出来なかったことも考えておきましょう。

養生生活をして、仕事もセーブして妊活に取り組んでも、最終的に妊娠出来ないこともあるかもしれません。でも、それも想定して妊活をして、妊活したことを肯定的にとらえられるようにしましょう。養生生活に取り組むという事は、自分自身の健康に飛躍的にプラスとなります。妊娠出産しなかった分の時間やお金を自分のやりたいことに費やして、素晴らしい人生を楽しんで過ごしましょう。オランダへようこそ

色んなことに応用できる詩だと思います。

関連コラム

妊娠のために検査についての説明。妊活したい人のために。

AMH、抗ミュラー管ホルモン、アンチミュラリアンホルモン

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。