がん検診受診のススメ
皆さん、がん検診を受けましょうと勧められます。私も子宮癌、乳がん検診を受診するように患者さんに勧めます。でも、がん検診は、癌を早期発見できる可能性がありますが、癌を予防することは出来ません。
がん検診は乳がんの予防ではない。
マンモグラフィー検診、乳腺エコー検査、乳がんの予防ではありません。これらの検査で乳がんが発見された場合には、検査で発見出来るだけの大きさまで癌が進行してきたかどうかを観察して早く見つけることが出来るだけです。マンモグラフィー検診を頻繁に受けていても、乳がん死亡率には差が無いという報告もあります。早期発見して、5年生存率が上がっているという報告もありますが、そもそも癌を早期発見していなくても、治療しなくても5年以内に死に至らないような早期の癌を発見している可能性もあります。
乳房視触診のすすめ
マンモグラフィー検診、乳腺エコーにはそれぞれ得意不得意があります。様々ながん検診でも見逃しの可能性はあります。そんななか自分で手軽にできて、かなり効果のある方法が乳房視触診です。お風呂に入るときに鏡に乳房をうつして形にひきつれ、くぼみ、左右差がないか見てみましょう。お風呂にはいって身体を洗うときに手で乳房を触ってあげるだけでもよいですが、月に一回はしっかりとしこりが触れないか乳房全体を触ってみましょう。さわり方は色々なサイトで紹介されています。数ヶ月前にマンモグラフィー検診をうけて異常なしと診断されていたかたが、乳房にしこりを感じて病院受診したところ癌がみつかったというケースもあります。
癌家系だと癌になるのか?
乳がん遺伝子が発見されてから、癌は遺伝によって起こるかのように思われ始めました。特に乳がんは不運な遺伝子によって発症する、という考え方が広まっています。有名な女優さんが、癌を予防するために、乳腺切除と卵巣切除を受けたことはニュースになりました。
癌は遺伝子をもっているというだけでは発症しない。
遺伝子が原因となるのは癌のうちのごくわずかな部分になります。乳がんリスクのある遺伝子検査などの検査を受けることは、癌のリスクの1つである、遺伝子を持っているかどうかという事が分かるだけです。
乳がん家系によって乳がんになるリスク
遺伝子による影響で乳がんにかかった可能性がある人は、すべての乳がん患者の3%以下だという研究報告があります。乳がん遺伝子をもっている人はアメリカでは人口のわずか0.2%(500人に一人)だと言われています。また、乳がん遺伝子を持っていたとしても、必ずしも乳がんにかかるわけではありません。
癌発症の中心的な役割
一番、癌にかかるリスクと関係しているのは、環境や食習慣、生活習慣だということが報告されている。遺伝子にはスイッチのオンオフ機能があるということが分かっています。これは、乳がんだけでなく、すべての癌に言えることです。
動物性食品と精製炭水化物食品が多い食事
- 月経開始年齢を低下させる
- 閉経を遅らせる
- 血中女性ホルモンレベルを高める
- 血中コレステロール値を高める。
=乳がん発症のリスクを高める。
乳がん予防について
タモキシフェンという女性ホルモンを抑える薬を予防的に内服するという方法。薬の副作用の問題もある。乳腺切除を予防的に行うことも身体的負担は大きい。それに対して動物性タンパクや脂肪が少なく、未精製未加工の植物性食品が多い食事は女性ホルモンレベルを下げるという報告がでている。思春期前の女の子に、動物性食品を取り過ぎない(牛乳を含む)ことで、女性ホルモンの増加量が減ったという報告がある。
乳がんを防ぐために
- 頻繁に検診をうけて癌を早期発見しようとする。
- 乳腺切除をする、タモキシフェンを内服する。
- 食事を、動物性食品を含まない、精製炭水化物食品(砂糖、小麦、白米など)を避ける食事に変える。
★乳がんの再発予防としても食事を変えることはとても大切です。
環境ホルモン(内分泌かく乱物質)を避ける
環境ホルモン(内分泌かく乱物質)はホルモンを乱す化学物質であり、これらの影響も心配される。ですから、プラスチックを避けることもお勧めです。ただし、何を食べているかが最も大切。
ホルモン補充療法(HRT)について
乳がんリスクを増やすと言われている。女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)を補充する治療です。メリットがあるので、乳がんリスクを恐れずに、必要な人は補充することをお勧めします。骨を丈夫にする効果について、高い関連があることが分かっています。このような人は食事を気をつけながら、乳がん検診を毎年うけて、もし乳がんが発見されたら早期治療出来るように対策することがお勧めです。
最も大切な食べ物を大切にする。
何を食べているかという事が病気の予防に最も大切。
がん細胞は毎日発生している。
身体の中でがん細胞は毎日できていて、それを免疫力でやっつけている。免疫力でやっつけきれなくなったときに癌は発見されるくらいまで大きくなってきている。
がんが消えていく生き方
がんに克つ5つの生活習慣
1 良眠生活「睡眠中こそが細胞や組織を修復する時間帯」
2 良食生活「がん体質を変えるための食生活にスイッチ」
3 加温生活「リンパ球は体温1%上がると活性力40%増」
4 運動生活「がんが嫌う酸素を体内に効率的に取り込む」
5 微笑生活「実証された笑いの作用でNK細胞の活性化」
何を食べたら良いか
動物性食品を含まない、精製炭水化物食品(砂糖、小麦、白米など)を避ける食事に変える。=砂糖を避ける、肉を避ける。
チャイナスタディーより紹介しました。
腫瘍マーカーよりも正確!ガンの検査:CTC
血液内を循環するがん細胞CTCは初期のがん部位から遊離したもので、血流に栄養や酸素を求めて血管内へ浸潤し、血液中を循環します。これが他の器官に移動し、そこで成長し始めると転移になります。なので転移のリスク管理としてCTCのモニタリングはとても重要です。通常の検診とは違い、腫瘍として育つ前のがんを発見することができます。