赤ちゃんにおっぱいを2歳過ぎまで飲ませた方が良い理由。

母乳育児は2歳過ぎまで続けることが勧められている。

WHO(世界保健機関)では、生後6ヶ月間は母乳だけで、その後、2歳以上になるまでは、母乳育児をすることを推奨しています。それは、赤ちゃんにとって、母乳の栄養が必要だからです。

離乳食ではなく、補完食

生後6ヶ月をすぎると母乳や人工乳にくわえて食事を与えることが勧められています。赤ちゃんにあたえ始める食事は、一般的には離乳食と言いますが、この言葉はおっぱいから離すための食事と誤解されそうなので、補完食という言葉も使われたりします。

乳児の主なエネルギー源=乳糖

赤ちゃんは主におっぱいのエネルギー源である乳糖から栄養をとります。ごはんやパンなどのデンプンから栄養をとるためにはアミラーゼという消化酵素が必要なのですが、これは2歳すぎてこないととても少ない量しか体の中で作られないことが分かっています。

アミラーゼ

多糖類の主要な消化酵素。新生児のアミラーゼ活性は成人の0.2-0.5%ほどといわれ、生後3ヶ月頃までは母乳中に多くのアミラーゼが含まれている。デンプンなどの炭水化物は唾液や膵液に含まれるアミラーゼで乳糖やショ糖などの2糖類に分解される。さらにそこから単糖類に分解されて吸収される。

赤ちゃんがごはんを食べ始めても母乳が大切

アミラーゼは2才すぎて膵液でつくられて十二指腸中のアミラーゼが増えてくるので、それまでは赤ちゃんは上手にデンプンから栄養がとれないのです。ですからごはんを食べ始めたとしても、2歳過ぎまでは母乳を飲んで栄養をサポートしてもらう必要があるんですね。

ごはんも自分で上手に食べられるように補完食サポート

自分で食べる、噛む力を養って上げる、こういったことも大切です。食べ初めは、栄養をとると言うよりもたべる練習をしている、噛む練習をしていると思った方が良いです。早くごはんが食べられるようになった方が良いという事は無いので、しっかり噛めるようになることが大切ですね。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。