国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)とは?
IBCLCは、母乳育児がうまくいくための支援に必要な、一定水準以上の技術・知識・心構えを持つヘルスケア提供者です。
IBCLCの資格は、アメリカに本部を置くラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会が1985年から毎年実施している全世界共通認定試験に合格することによって得られます。島袋史はラクテーションコンサルタントの資格を約15年前(2006年)からとっています。
痛くない授乳方法
赤ちゃんの抱き方やお口を開ける向きなどで、授乳が痛くて困っていたお母さんが、痛くない授乳方法を出来るようになる。これは男性でもできるんです!とラクテーションコンサルタントの小児科男性医師が講義をしていました。最初にサポートしたときにはドキドキだったそうです。赤ちゃんの診察の中でお母さんが授乳がいたくて悩んでいることがわかって、ラクテーションコンサルタントとして初めて、「痛くない授乳方法があるんですけど、ためしてみませんか?」と声をかけてみた。内心断ってくれと言う気持ちもあったそうです。でも、そのお母さんは、「はい、御願いします!」と答えてくれて、実際に赤ちゃんの抱き方や吸わせ方を指導したところ、「痛くない!すごく楽!」とお母さんが感激されたそうです。その成功体験から授乳相談の外来までその後担当されたそうです。
授乳はわいせつ陳列罪ではない!
母乳育児にやさしい社会とは、お母さんが安心してどこでも授乳できるというのも1つあると思います。島袋が15年前に長男を出産した後に、長男が呼吸障害でNICUに入院していたとき、NICUのベッドサイドで授乳をしたところ、看護師さんから、ここには若い男性の研修医も来るのだから、授乳は授乳室だけでしてくださいと言われてしまいました。今回男性の小児科医が授乳の仕方を指導しているという講義をきいて、その時のことを思い出しました。心の中では、「授乳はわいせつ陳列罪(わいせつ物頒布等罪)じゃないんだから!」と叫んでいたのですが、患者の立場では強く言えず、そのままその時には授乳室へ移動したのでした。でも、私はスーパーの通路のベンチでも電車の中でも普通に授乳していました。むしろ、授乳を恥ずかしいこととするのは良くないと思ってその風潮を打破したいと思っていたところだったのでした。ワシントン州政府は、「女性が公共の場で授乳する権利を保護し、授乳や母乳を搾る行為は公然わいせつ罪にあたらない」とする法律を2001年に施行されたということです。
患者の立場ではあまり言えないこと
乳児健診で、子どもの貧血を指摘された際に、診察された医師が、離乳食の前後30分は授乳をしないようにと指導されたことがありました。その際にはすぐには何も言えなかったのですが、その次の健診の時に同じ医師に診察してもらって、以前そのような指導があったのですが、母乳と牛乳を混同していると思います。母乳には、ラクトフェリンが含まれていて、鉄吸収を促進してくれるので、牛乳のように鉄吸収を邪魔して貧血をひどくすることはないですと文献を渡しながら伝えたところ、すごくひかれてしまったことがありました。
屋外での授乳
外で授乳したくないから外出時にはほ乳瓶で飲ませています、というかた、授乳ケープを使う方などあると思います。外出時にも気軽に是非人目を気にせずに授乳してもらえたらと思います。授乳ケープは長女の時にはなかったのですが、次男の時にいくつか購入して便利だと思いました。でも、時々完全に赤ちゃんの顔を覆ってしまって、赤ちゃんの様子がみられないという場合を見かけます。是非ケープを使うときには赤ちゃんの顔をのぞき込めるようにして授乳してもらえたらと思います。
痛くない授乳方法
シンプルには赤ちゃんの耳と肩と腰がずれない姿勢で授乳をする。赤ちゃんの唇がなかに巻き込んでいない。乳輪部がお口で隠れている、赤ちゃんのほっぺと顎がお母さんのおっぱいにくっついている、赤ちゃんがおっぱいを見上げている、このあたりが出来ると痛くない授乳方法になるかと思います。
母乳外来
助産師による母乳育児サポートがあります。一人で解決できない場合には是非ご相談下さい。自分で出来るようになることが大切なので、そのあたりのコツを学べると思います。