質問:産後に筋トレをすると母乳が止まると聞いたのですが止まってしまうのですか?:おっぱいのでる仕組み

質問:産後に筋トレをすると母乳が止まると聞いたのですが止まってしまうのですか?

答え:おっぱいのでる仕組みには、ホルモンの影響と、実際におっぱいを乳房から出してあげることの二つが大切です。筋肉トレーニングをすると母乳が止まるという話しは聞いたことがないですが、過度のストレスがあると母乳分泌に悪影響が起こることがあります。筋肉トレーニングは産後の体力アップにもとても大切ですが、疲労困憊するほど運動すると活性酸素が発生して、健康にはマイナスになります。筋肉トレーニングは、筋肉痛がおこるほどしっかり行うのなら各部位は5日くらいの間隔をあけて行いましょう。上半身、下半身など色んな部位を数日毎に行っていくこともお勧めです。有酸素運動、特にウォーキングは毎日お勧めです。

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おっぱいのでる仕組み

母乳育児Q&Aより

母乳育児と育児のQ&A

○×クイズで紹介していますが、その中の一つ、

15. おっぱいを3日間以上しぼらずにいるとおっぱいはとまってしまう。

こちらでおっぱいのでる仕組みを説明しています。

女性ホルモンがおっぱいをストップさせる。

妊娠中はほとんどおっぱいは出ません。胎盤からたくさん作られる女性ホルモンが、おっぱいがたくさん出ないようにブロックしています。お産が終わって女性ホルモンの影響がなくなると、プロラクチンとオキシトシンというおっぱいを作ったり出すのに大切なホルモンが働き始めて、産後3日目くらいからどんどんおっぱいが出始めます。

おっぱいへの刺激で、プロラクチンが働く

おっぱいホルモンのプロラクチンには受け皿が必要です。おっぱいホルモンとその受容体は鍵と鍵穴の様に、お互いがあって初めて働きます。この受容体がちゃんと働くようにするため、できるだけ早く(産後2時間以内)から、24時間以内に8回以上授乳を行うとより早くたくさんおっぱいが作られるようになります。

乳房で作られた母乳は、ださないといけない

おっぱいがどんどん作られたとしても、乳房にたまったままだと身体はこれ以上母乳をつくらないように働き始めます。

おっぱいを3日間以上しぼらずにいるとおっぱいはとまってしまう。

このクイズの答えは○なのです。確かにとっても良くおっぱいが作られている人は3日とめてもまだまだでていたりします。でも、身体の仕組みとして、おっぱいを乳房にためると、おっぱいはとまる方向に働くと憶えて置いてください。

よくでていたおっぱいが急にでなくなる理由

とってもよくおっぱいがでて、赤ちゃんがいっぺんにたくさん飲んで、夜長いこと寝てくれて朝おきたらおっぱいはパンパンに張っていました。こんなことがあるかもしれません、1,2日ならそれでも特に問題ないですが、毎日ずっとその状況だと、数ヶ月でおっぱいは止まってしまうかもしれません。そのような場合には、夜6時間以上授乳をあけないように、赤ちゃんを起こして飲んでもらうか、搾乳を少しして、朝起きたらすぐに授乳する。おっぱいをパンパンに張るまでためない、という事が大切です。

疲れすぎておっぱいの出が少ないと感じたら

しっかりと休息をとりましょう。添い寝で授乳を頻回にすることで、数日でおっぱいの出も回復することでしょう。

出せばだすほど作られるおっぱい

母乳が乳房の中から空っぽになってしまうということは無いですが、足りないと感じたら特に頻回授乳が大切です。さらに搾乳も必要な場合もあります。

 

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。