骨粗しょう症とは
骨の質と量が低下して、とても折れやすい状態になっていることです。若い人の骨量を最大限として、年をとると、だんだん骨の量が減ってきますが、若い人の骨密度を100%として70%をきると骨粗しょう症と診断されます。
私たちの体の中では、血液などと同様に、骨はどんどん壊れながら新しく作られていきます。こうして作り替えられていくのですが、骨が壊れる速さと作られる速さのバランスがくずれると骨の量が減ってしまうと共に、新しい骨の割合が少なくなるため、骨の質も悪くなって、骨のしなやかさ、丈夫さが失われます。
骨が壊れるのに約4週間、骨が作られるのに約4ヶ月、約5ヶ月のサイクルで、骨の作り替え(新陳代謝)が行われます。
女性に多い骨粗しょう症
女性の場合、50歳前後に閉経となります。骨吸収を抑える働きがある女性ホルモンであるエストロゲンが、閉経後に急激に低下します。このため骨吸収の歯止めが効かなくなって、加齢もともなって骨の量が減り、骨の質が劣化していきます。これは誰にでも起こることです。しかし、これに加えて糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病があると、骨の質はさらに劣化します。骨粗しょう症は気づかないうちに進行していき、骨の量・質ともに低下し、ある日突然骨折を引き起こすことになります。
骨粗しょう症でおこる骨折
- 50歳代:前腕骨の手首部分や椎体(脊椎の骨の主要部)に多く発生します。
- 65歳頃から:椎体、前腕骨、大腿骨(太もも部分の骨)、上腕骨(肩からひじまでの骨)の順に多く発生します。
- 75歳頃から:椎体、大腿骨、前腕骨、上腕骨の順に発生します。その中で最も多いのが椎体の骨折で、その次が大腿骨骨折です。
椎体骨折には症状がないので骨密度検査が大切
骨粗しょう症で起こる骨折の多くが椎体骨折ですが、その多くは自覚症状がありません。そのため、骨密度を測定することが大切です。ゆいクリニックスタッフに骨密度検査を行ったところ、30代、40代のまだ若いスタッフが骨粗しょう症レベルに骨密度低下している人が何人もいました。
自分で出来る骨折リスクチェック:FOSTA指標とFRAX
FRAXで検索して、質問に答えると数値がでてリスクが分かる。
FOSTA指標=[体重(kg)-年齢(歳)]×0.2 高リスク、中リスク、低リスクと目安が分かります。表があるのでネットでチェックしてみましょう。
背中を壁に当てて立つ
頭からかかとまで壁にしっかりとつくことが出来れば良いのですが、背骨の椎体骨折が起こって背骨が曲がっていると真っ直ぐと壁につくことが出来ません。
顔の骨の骨粗しょう症で老け顔になる
美容形成、化粧品できれいになろうとしても骨がもろいと、目のくぼみが落ちこんで、老け顔になってしまいます。きれいでいるためにも骨の健康は大切です。
健康長寿が大切!
元気でぼけずに死ぬまで自分の足で歩いて寝たきりならない、単に長寿でなく、健康でいることはとても大切です。そのために骨粗しょう症になって骨折して寝たきりなるのを防ぐことも大切です。
骨粗しょう症対策①:若いうちの栄養と運動
10代のうちに、しっかりと栄養をとって運動をして、骨を最大限に引き上げておくことはとても大切です。10代でダイエットとしてきちんと栄養をとれないと、将来骨粗しょう症になってしまうリスクが高くなります。
骨粗しょう症対策②:栄養
骨のために大切な栄養素としては、カルシウムと思われる人も多いでしょう。もちろんカルシウムは重要ですが、それだけではありません。カルシウムとマグネシウムは連動するミネラルで、カルシウムだけとると身体のミネラルバランスがくずれます。マグネシウムも重要です。また、カルシウムをとるためには乳製品が勧められますが、乳製品のカルシウムはうまく使えないのでお勧めしません。
カルシウムをとるために
モロヘイヤ、小松菜、水菜、昆布、大豆、海藻など色々な食品をとりましょう。また、甘い物をたくさん食べると身体からカルシウムを奪って、骨がもろくなります。甘い物は避けましょう。
それ以外に骨を構成するリン、コラーゲン(タンパク質)も大切です。
ただし、リンはとりすぎて、骨がもろくなるリスクがあるので、りんはとりすぎ注意になります。
そしてビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンC、さらに葉酸など、幅広く摂取するようにしましょう。
そのためにも色々な食材をバランス良く食べる事が大切です。おにぎりだけ、牛丼、ハンバーガーなどでは栄養がとれません。
骨の健康にはビタミンDも特に大切です。
骨粗しょう症対策③:運動
骨密度低下を防ぐために、運動で骨を刺激して、筋力を鍛えること、身体の柔軟性を高める、骨折して寝たきりなることを防ぐことが大切です。大腿骨骨頚部骨折をきっかけに寝たきりから認知症になってしまうというリスクを防ぐためにも運動が大切です。
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