質問:卵、乳製品は、摂りすぎるとアレルギーになると言ってましたが。他の食材も毎日食べるとアレルギーになりますか?私の夫が納豆に酢を入れて毎日食事の前に食べてます。
質問:ナッツは食べると吹き出物が出ると思って食べるのを避けていました。それでも体の為には食べた方が良いのか知りたいです。
答え:特に身体に不調はなく、心身ともに健康的な生活を送っているのなら、毎日納豆やお酢を摂ること自体は問題ないといます。腸の状態が問題なければ、毎日食べていてもそう簡単にはアレルギーになることはないです。また、ナッツを食べるといつも吹き出物が出るのであれば、ナッツのアレルギーがあると思います。
アレルギーについて
アレルギーとして要注意の食べ物は現代の3大アレルゲンとして、卵、乳製品、小麦です。また大豆も昔からアレルゲンとして有名ですが、納豆は発酵しているので比較的消化に良いです。ただ、豆乳は消化が難しいので、毎日摂ることはおすすめしません。納豆は、比較的消化に良いので、特に体調が問題なければ、毎日食べても大丈夫です。ただ、色々な食材をローテートして食べることでアレルギーリスクを減らす事が出来ます。参考までに日本人のアレルギー源としては、最も多いのは卵ついで牛乳・小麦・魚類(サバなど)・そば・エビ・果物・ピーナッツ・大豆だそうです。アレルギーリスクの高い食材を毎日食べ続けると、アレルギー症状がおこるリスクが増します。
即時型アレルギーについて
一般的には、何かを食べてすぐに何らかの症状がでたり、花粉症で鼻水やくしゃみが出たりするのがアレルギーの症状だととらえられています。すぐに症状がでるアレルギーは即時型アレルギーと言われていて、IgE抗体という免疫成分が主に関係しています。保険診療でもこの即時型アレルギーの検査は可能です。また食べ物を食べたり、原因の物質にさらされてすぐに症状がでるのでわかりやすいです。
遅延型アレルギーについて
食物を食べたり、何かアレルギーの原因となる物質にさらされてから、数日後に症状が出現するアレルギーがあります。これを遅延型アレルギーと言います。
頭痛、めまい、うつ、などの精神神経症状、肩こり、慢性疲労など一見関係のないような色んな症状が起こります。すぐに症状がでないので、原因がわからないで体調不良がおこっている可能性があります。実は大好きでよく食べている食物にこのタイプのアレルギーが多いとも言われています。大好きだったり、健康に良いと思って毎日食べていた食べ物が、実は、健康を害する原因になっている可能性があります。
遅延型アレルギーの症状
遅延型アレルギーにはIgG抗体という免疫成分が主に関連していると言われています。そして様々な症状との関連が言われています。慢性疲労、起立性調節障害などの自律神経失調症状、肌荒れや湿疹、アトピー性皮膚炎、腹痛や消化不良、過敏性症候群、イライラ、不妊、肩こり、頭痛、不眠、めまい、喘息など。です。
遅延型アレルギーはどうして起こるか。
遅延型アレルギーには、腸の環境が大きく関係しています。
腸の中には、100兆個もの腸内細菌が存在しているといわれています。そしてこれらの細菌たちはただ腸内にいるだけではなく、食べたものをきちんと消化・吸収させるためにとても重要なはたらきをしています。
食事に含まれるたんぱく質は、消化酵素のはたらきで、ペプチド(アミノ酸があつまったもの)やさらに分解されて、アミノ酸になって身体の中に吸収されます。食べ物から 分解された腸内のたんぱく質やペプチドは、普通はそのままの形では腸から身体の中には入っていきません。さらに、腸内細菌が正しくはたらくことで、小腸の中の粘膜が防御して、腸から身体に不要な物が、身体の中に入ってこないようにしています。
ところが、腸内環境が乱れると、腸の粘膜と粘膜の間に穴が開き、すきまが出来て、たんぱく質やペプチドが身体の中に入り込んで、血液の中にもれていってしまいます。このような状態を「腸管漏出症候群(リーキーガット)」と言います。
腸管漏出症候群(リーキーガット)
リーキーガットの状態では、十分に分解されていないタンパク質やペプチドなどの物質が血液中に漏れてしまうため、身体がこの蛋白に反応してアレルギー反応が起こります。このような状態が遅延型アレルギーです。リーキーガット症候群を起こした腸は食べ物だけではなく、食べ物に含まれる添加物や合成保存料などの化学物質、環境汚染物質、重金属なども体に入りやすくなるのです。
腸管漏出症候群(リーキーガット)の原因
砂糖、小麦、乳製品、食品添加物などで腸に炎症が起こって腸内環境がわるくなります。また、痛み止めや抗生物質、ステロイド剤や避妊ピルのような医薬品や、アルコールやカフェイン、ストレスなどもリーキーガット症候群と関係したりします。
腸内環境は私たちが体のバランスを保つ上では非常に重要な役割を果たしています。そして、腸内環境が整うと身体は正常な状態に戻り始めます。
腸内フローラ検査
腸内環境を知りたければ当院で腸内フローラ検査を受けることも出来ます。
遅延型アレルギー検査
現在何らかの症状や体調の問題があり、それが腸内環境の悪化が原因と疑われる場合、毎日食べている食べ物がその一因(遅延型アレルギーがある)かもしれないので注意が必要です。
そして、その状態を検査するのが遅延型アレルギー検査であり、それによりリーキーガットの状態を評価し、原因となっている食品を調べることができます。ただし、その食品だけを排除すれば良いわけでなく、根本的に腸を修復する必要があり、腸内環境を悪化させている原因を考えていく必要があります。このあたりのことを詳しく検査や相談ご希望であれば、当院の栄養療法外来にてご相談の上、当院にて遅延型アレルギー検査を受けることが出来ます。
栄養療法外来
卵アレルギーについて
卵は小児期(特に乳幼児期)のアレルゲン(アレルギーの原因)として有名で、即時型アレルギーを起こす。しかし、成長とともに消化吸収機能が発達してくると、食べても問題ないようになることが多い食品でもあります。
中には大人になっても耐性を獲得できずにアレルギー症状が残る人もいるが、大人になってから卵アレルギーになることあまり多くないと考えられます。大人になってから卵でアレルギー症状がでる人は、卵の食べ過ぎでなったのではなく、リーキーガットの状態がもともとあって、卵の消化吸収がうまくできていない状態と思われます。卵が原因ではなく、リーキーガットの原因を探す必要があると考えられます。また、卵はタンパク質栄養豊富な食材なのですが、色々と問題があります。狭いケージのなかで病気にならないように抗生物質が使われて、遺伝子組み換え食材のエサが与えられて安い卵がとられています。出来るだけきちんとした環境でよいエサを与えられた卵を選ぶようにしましょう。
ピーナツとナッツ
即時型アレルギーとしてビーナツアレルギーの人が結構いますが、正確にはピーナツはナッツではないそうです。ナッツは木の実、ピーナッツは豆に分けられるそうです。また、ナッツにも様々な種類があります。ナッツは栄養豊富な食材なので、これなら食べられるというナッツを見つけるのも良いかと思います。
ナッツアレルギーについて
ナッツを食べるといつも吹き出物がでるのであれば、ナッツのアレルギーがあるかもしれません。でも、原因はナッツではなく、アレルギーが起こるような腸内環境の悪化(リーキーガットや便秘など)にあると思われます。ナッツを避けるだけにとどまらず、腸内環境全体の改善を目指すようにしましょう。食べられるナッツを探すことも大事だし、毎日食べないようにすることも大切です。でも、他に腸を悪くするものを摂っていないか、再度確認することが大切です。
アレルギーの根本的な治療
一般的に食べ物のアレルギーの治療にはアレルギーの原因の食べ物を除去するという方法が行われます。でも、原因の食べ物を食べないだけでは根本的な解決にはなりません。一時的に症状がよくなったとしても、再び食べ始めると同じような症状が再発するからです。原因食材の除去は応急処置で、原因の食べ物に影響されないような身体を作るためには腸内環境の改善が大切です。
何を食べても元気でいられるように、腸内環境をととのえることが大切です。そして、腸内環境が整うと身体は正常な状態になっていきます。
遅延型フードアレルギー検査で原因を特定したり、原因不明の不調を良くするためには栄養療法外来で相談することができます。