以前は卵巣を手術で積極的に摘出していた。
子宮摘出の際に一緒に卵巣をとってしまっていいのか。以前は、閉経後は卵巣は働きを失っているので、あってもなくても良いと考えられていました。閉経後に子宮をとる必要があったり、片方の卵巣をとるような手術をする場合にはもう片方もとってしまうことも良くありました。癌の場合にはどうしても両方の卵巣を取り出す必要がある場合もありますが、とってもとらなくても良い場合でも、将来病気になる可能性があるからと一緒に取り出すことが多かったように思います。
閉経後の卵巣機能
閉経とは、月経がなくなって1年以上たったときに診断されます。更年期は閉経をはさんで前後5年の10年間を更年期と定義されています。
閉経以後は卵巣が作っていた女性ホルモンは劇的に減って、卵巣の働きは失われると思われていました。ネットで検索すると、下記のような記載もあります。
あるホームページの記載:閉経後卵巣摘出するとどうなる?
卵巣摘出(両側) 閉経後の方はすでに卵巣機能は停止していますので両方の卵巣を全部摘出しても問題はありません。 ホルモンの変調や更年期・自律神経失調などを伴うこともありません。
でも、最近の研究で、閉経後の卵巣はわずかですがテストステロンをつくってくれていることが分かっています。閉経後の卵巣も何の働きもしない役立たずではなく、しっかりと身体のために働いてくれているのです。
見た目の若さと寿命の関係
アンチエイジングが取りざたされていますが、ウェルエイジングという言葉もあります。よりよい状態で年をとっていきましょうと言うことです。アンチエイジングの研究では、見た目の若さと寿命が長いかどうかが関連すると言われています。見た目が老けているスピードが早いという報告があります。
テロメア
- 真核生物の染色体の両末端部にある構造
- 特徴的なDNA配列(TTAGGG)を繰り返し、遺伝子情報を保つDNAを保護し、染色体の安定化および細胞の寿命と関係する。
- 1930年代にはっけんされ、ギリシア語の「telos=末端」と「meros=部分」が由来
テロメアと寿命の関係
年齢が高くなると白血球のテロメア長さが短くなる
男性は女性より早くテロメアが短くなる(男性の60歳の平均が女性の72歳に相当する)
テロメアを短くする(寿命を短くする)もの=生活習慣がテロメアを短くする
- 加齢
- 喫煙
- 肥満
- 睡眠時間
- ストレス
- 食生活
- 紫外線
- 酸化ストレス
- 有害物質など、
動脈硬化があるとテロメアが短い
テロメアが短くなると様々な病気が起こってくる
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 糖尿病
- 認知症
- 癌
テロメアの長さと老化(エイジング)との関係
- 寿命に関係する
- 環境により変化する
- 免疫に関係する
- 男性ホルモン(テストステロン)はテロメアの長さを伸ばす!
男性ホルモン(テストステロン)の働き
- ミトコンドリアを作り出す力を高める。
- ミトコンドリアの量を増やす
- ミトコンドリアの機能を高める。
- 元気はつらつ
- テロメアを伸ばす=寿命を延ばす
- 女性の健康にも大切
女性の健康と男性ホルモン(テストステロン)
- 中枢機能の活性化と記憶
- アルツハイマー病の予防
- 抗炎症作用
- 癌の予防
- 身体のバランスの維持
- 免疫力の調整
- インスリン抵抗性の改善(糖尿病の改善)
男性ホルモン(テストステロン)を増やすためには
サプリメントDHEA補充は選択肢の1つ
日本では女性向けのテストステロン補充療法は一般的でない。
運動して筋肉をつける。
しっかりと睡眠をとる。
健康に良い食事をする
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生活習慣を良くすること=テストステロンが増えて、テロメアが延びる=寿命が延びる
閉経後に手術を受ける場合、卵巣をとらないほうが、卵巣はテストステロンをつくって働いてくれる。
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