妊娠したい人と妊婦さんにとっても大切なビタミンD

ビタミンDについて

  • 脂溶性ビタミン D,A,K,E
  • ビタミンDはカルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保つのに働いています。
  • 免疫力アップ、様々な病気から守ってくれる大事な栄養素

サプリメントでビタミンDのとりすぎを心配するより、足りない心配を!

  • 多くの人がビタミンD不足
  • サプリメントの活用もお勧め

ビタミンDの働き

  • カルシウムの吸収に必要なタンパク質の合成を盛んにし、小腸からのカルシウムの吸収を高めます。
  • 血液中のカルシウムを骨へ運び、カルシウムが骨に沈着するのを助けて丈夫な骨や歯の形成に働きます。
  • カルシウムの濃度を保つ働きをします。
  • 骨を丈夫にするためにはカルシウムだけでなく、ビタミンDやマグネシウムを摂取する必要があります。

ビタミンDの効果

  • 免疫力アップの効果やガンや糖尿病、自閉症、妊娠しやすい体作りなどに有効かもしれないという報告
  • 大腸がんや乳がんなどに関して、日頃からビタミンDを多く摂っている人ほどがん発症の危険度が低いという多くの報告がある
  • ビタミンDを多く摂っている人ほど高血圧や心疾患、脳卒中、糖尿病などの様々な生活習慣病にかかりにくく、認知症やうつ(鬱)の予防にも有効であるという多くの報告がある。
  • ウィルス感染対策:東京慈恵会医科大学准教授・臨床研究開発室室長の浦島充佳氏によって、ビタミンDがインフルエンザなどの感染症の予防や、アトピー性皮膚炎の改善などに有効に作用すると報告されている。
  • コロナウイルスに血中ビタミンD濃度が30ng/ml以上の方はほとんど感染せず、さらに死亡率も低く、重症化を防ぐ可能性がある。
  • 外科手術後の感染症リスクを下げる
  • ビタミンDが高い方がアレルギーリスクが低くなる。
  • 癌のリスクがへった、うつのリスクがへった。
  • ビタミンDが不足すると小腸の絨毛が短くなってしまう
  • ガンの再発率を下げる(毎日2000IU=50μgのビタミンDをとるとガンの再発が減った。ビタミンD濃度がもともと20~40あった人の方が再発率が低かった。)

妊娠のためにも大切なビタミンD:不妊症とビタミンD欠乏の関連がほぼ確実

•ビタミンDは卵が着床できるように子宮内膜を整える。
•40代ではビタミンD濃度が低い女性ほど卵子の減少が早い
•ビタミンDを補充することで排卵率が改善される
•体内のビタミンD濃度が体外受精の妊娠率にかかわる。
•ビタミンD不足は初期流産のリスク上昇と関連する
•ビタミンD欠乏の男性の精子は、精子運動率や前進精子運動率、正常精子形態率が低い

妊娠中のビタミンD欠乏との関連(最新女性医療 Vol.6 No.2(2019)「こんなにすごい、ビタミンD]より)

  • 妊娠高血圧症は確実にビタミンD欠乏と関連有り、ビタミンD補充で予防効果の可能性あり。
  • 妊娠糖尿病はほぼ確実にビタミンD欠乏と関連有り、ビタミンD補充で予防効果の可能性あり。
  • 胎児発育不全(赤ちゃんが大きくなれなくてちいさめになってしまう)は確実にビタミンD欠乏と関連有り、ビタミンD補充で予防効果の可能性あり。
  • 早産は確実にビタミンD欠乏と関連有り、ビタミンD補充で予防効果の可能性あり。
  • 不妊症ほぼ確実にビタミンD欠乏と関連有り、ビタミンD補充で予防効果の可能性あり。

ビタミンD不足が、赤ちゃんの脳の発達を邪魔する。

マウスの研究で、ビタミンD不足が、胎児の脳の発達を邪魔しており、その悪影響は出生後も続くと報告されている。

子どもに増えているビタミンD不足

  • お母さんのビタミンD不足があると子どものビタミンDは不足する。
  • 頭蓋ろう(頭の骨が固くなくて、触るとぺこぺこしている)になってしまうリスクがある。
  • 赤ちゃんのビタミンD不足が増えている。75%が不足、50%が欠乏状態だったという日本外来小児科学会の報告あり。

ビタミンDをつくってくれる紫外線

  • 日焼けの原因になるUV-BでたくさんビタミンDがつくられます。
  • UV-Bは服やガラスを通れません。いつも屋内で過ごしたり、外出するときに必ず日焼け止めを塗る人は、ビタミンD不足になっているおそれがあります。
  • 身体の栄養不足があると紫外線にあたってもビタミンD不足になるかもしれまん。コレステロールは大切な原料です。
  • 低体温だとビタミンDがつくられにくい。

環境省・紫外線環境保健マニュアルよりビタミンDの供給源=日光暴露

https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

P46に紫外線暴露の目安

春から秋の晴れている日で半袖で15~30分、曇りの日は30~60分、週3回、冬は長めに。

実はビタミンD不足の人がとても多い

ゆいクリニックスタッフで検査したところ、30代から50代の女性スタッフ25名中

ビタミンD:9.3~36.9 ng/ml  22名(30ng/ml  を超えていたのは3名のみ)

島袋史51歳:2022.6月: 96.9ng/ml

2021.12月:189ng/ml(2万IUを毎日1年以上とっていた)

ビタミンDを多く含む食品

  • きくらげ、あん肝、キノコ類、魚介類(紅鮭、サンマなど)に豊富に含まれる。
  • 卵、牡蠣、たこにもわりと多い。(※注:卵は3日に一回はお休みを。できるだけオーガニックな物を)
  • 干しシイタケ(天日干し)もお勧め。
  • 魚をとると、DHAとEPAもとれるので、イワシ、サンマ、サバなども食べましょう。

一日にとりたいビタミンDの推奨量は最低1000IU,5000IUという意見もあり!

5000IUを食事でとるなら、鮭3きれ、しらす干し約270g、きくらげ約150gなど。

ゆいクリニック×食材でレシピチェックを!

きくらげ、しらす、さんまのレシピはたくさん掲載しています。ゆいクリニックレシピ、ゆいクリニック献立で、砂糖小麦乳製品食品添加物抜きのメニューやレシピがチェックできます。

しらす干しレシピ

きくらげレシピ

こんな人には特にビタミンDのサプリメント補充がお勧め

  • 外に出る機会が少ない
  • 紫外線対策が完璧
  • 魚介類をあまり食べない
  • 骨密度が低いと言われたことがある
  • 風邪を引きやすい

ビタミンDサプリメントで補充

  • きちんとしたサプリメントを選びましょう
  • 医療機関推奨サプリメントがお勧め。
  • 一日2000IUとると、推奨血中ビタミンD濃度30を超える。できれば40~80くらいあった方が良い。
  • 肝機能が悪いとビタミンD濃度は上がりにくい。
  • 肥満があるとビタミンD濃度が上がりにくい。

ビタミンDのとりかた

飲むのが苦手な人にはビタミンD入りごはんもおすすめ。

2合に4000IU混ぜても良い。※ビタミンDや亜麻仁油には味や香りがほとんどなく、ご家族に気付かれることはほぼありません。

ビタミンD入りごはんのポイント

① 亜麻仁油が入っているので、加熱はせず、炊き上がりに混ぜる。(炊飯時の熱でゼラチンはきれいに溶けます)

② 作り置きはせず、食べきる量を作る。

25OHビタミンD(25ヒドロキシビタミンD)検査

ゆいクリニックで検査が受けられます。自費で3200円(2022年3月現在)です。原発性骨粗しょう症の場合、骨粗しょう症薬剤治療方針選択時に一回検査が保険で受けられます。

ビタミンDを検査してみよう!

お勧め食材:切り干し大根(干し野菜、干しシイタケ、干しキノコ)

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。