シュウ酸とは
シュウ酸は,体の中で栄養が変換して最終的な不要物として作られる老廃物です。
ヒトの体内で、アスコルビン酸・ブルコール酸などの有機酸が代謝され、最後に変換されていった代謝産物の一つとしてシュウ酸が生成されます。
シュウ酸が多いと、尿管結石症を起こすような問題がおこることがあります。
シュウ酸の身体の中での働き
ホウレン草は、シュウ酸ナトリウムを多く含む食材です。
シュウ酸ナトリウムは水溶性で、消化吸収された後、血液に溶けて、血流にのって全身を循環します。
一般的には、シュウ酸に栄養素的な意味はなく、シュウ酸は最終代謝産物、老廃物であり、たべても栄養素として利用されることはないといわれていたりします。
でも、西式健康法を提唱された樫尾太郎先生の著書「生野菜汁療法」では、消化管や血液やリンパ管、生殖器の管などの様々な管の部分のぜん動運動を刺激強化する働きがあると言われています。ぜん動運動とは管に継続的な波錠の運動をおこして、その中のものを先の方へ押し進める動きの事です。このぜん動運動は、神経と筋肉が交互に行う収縮と弛緩(縮んだり、ゆるんだり)の連続で私たち自身の意識とは無関係に不随意的で自律的に行われる動きです。
シュウ酸は、カルシウムの吸収同化を助けて、身体のぜん動運動を刺激強化する働きがあるとのことです。
シュウ酸を多く含む食品
一般的によく食される食品でシュウ酸が多いのが、ダントツにほうれん草です。また、葉菜類の野菜,タケノコ,紅茶,コーヒー,お茶(とくに玉露・抹茶),バナナ,チョコレート,ココア,ピーナッツ,アーモンドなども比較的多いです。ビーツもシュウ酸に注意してという報告があります。ほうれん草の葉よりは含有量少ないですが、重さにするとたくさん食べられてしまいそうなので注意が必要です。
尿路結石の原因食材として重要な野菜:ホウレン草
有機シュウ酸と無機シュウ酸
生野菜に含まれる有機シュウ酸(生きたシュウ酸)は胃腸、膀胱、尿道、気管支などに活力を与えてくれる。しかし、加熱すると無機シュウ酸になり、体内でカルシウムと結合してシュウ酸石灰となり、結石の原因となってしまう。生の有機シュウ酸は体内でビタミンCに変化するし、身体の若返りにも効果的だとのことです。また、シュウ酸石灰は、結石だけで無く、動脈硬化や関節リウマチ、白内障や緑内障の原因ともなると、西式健康法を実践された渡辺正先生は著書で述べられています。
ほうれん草を生で食べると尿路結石ができるか。
消化吸収過程で、シュウ酸はナトリウムとわかれてイオン状態になります。血液・体液・尿に溶存しているシュウ酸は、イオン状態で溶存しています。
最終的に、シュウ酸は、腎・糸球体でろ過され、尿として排泄されます。
このイオン状態のシュウ酸がカルシウムイオンと接触すると、シュウ酸カルシウムという結晶を形成します。
カルシウムと結合は強固であり、シュウ酸カルシウムは難溶性です(シュウ酸ナトリウムは水溶性)。シュウ酸カルシウムは凝集して結石を形成しやすく、とくに尿路系結石を起こしやすい物質です。
しっかり湯掻いたホウレン草は、蓚酸ナトリウムが溶出して含有量が少ないため、結石症をおこすことはないという意見があります。
でも、湯がいて変化した無機シュウ酸の方が結石をつくるという考えがあります。
生野菜の勧め
生きている人間にとっては、生きている栄養、生野菜と生水が不可欠である。
生でとると、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。是非生で栄養のあるお野菜を食べましょう!