ペリネイタルケア2021年10月号より
歯周病とは
- 歯周病菌による感染性炎症性の病気。
- 歯茎や歯の周囲におこる病気
- 虫歯と歯周病は歯科の二大疾患。
- 歯がなくなると全身の健康に影響する。
歯周病にかかっている人がとても多い
妊娠とお口の環境
- 女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)は、血液を介して歯肉へと分泌され、歯周病菌を増やして、歯肉に炎症を起こしやすくする。
- 特に妊娠中は女性ホルモンは妊娠していないときと比べて数十倍も増える。
- 歯周病菌が増えやすく、歯肉の炎症が起こりやすい。
- つわりや間食が増えるなどでお口の衛生環境が悪化しやすい。
歯科検診を受けている人が少ない
- 厚生労働省の調査では、妊婦歯科検診を受けている妊婦は5.8%
- 歯周病の早期発見早期治療は重要。
- それ以上に歯周病予防もとても大切。
歯周病と妊娠
- 熊本県での2012年から2年間の全妊婦を対象とした調査で、32%の妊婦に歯周病が認められた
- 歯周病では、歯周病菌が歯周組織から胎盤に移行して、転移性の感染を起こす
- 口腔内に生じた炎症により、TNF-αやIL-1βなど様々な炎症性サイトカインが血中に放出される
歯周病と早産
- 身体に炎症がおこると早産の危険が高まる。
- 低出生体重児が生まれるリスクも高まる。
- 妊娠高血圧腎症の発症リスクも高まる
- 妊娠高血圧腎症にかかると妊娠を終了しないといけなくなる。
歯周病治療は早産防止に有効か
- 日本歯周病学会「歯周治療の指針2015」では、歯周病は早産・低出生体重児出産のリスクファクターとなるため、妊婦に歯周治療が必要である、と記載されている。
- 妊婦の歯周病治療が早産を減らせるかどうかは、減らせたというデータと変わらないというデータがある。
妊娠してからの治療では遅いの?
- 統計データからは、妊娠してからの歯周病治療ではなく、妊娠前からの治療が大切
- 妊娠中に歯科検診をスタートして、次回の妊娠に備えることも出来る。
妊娠中に歯科治療は安全です
- 妊娠や授乳を理由に歯科治療を遅らせたり、治療を控えたりする必要はありません。
- 妊娠中に必要あれば積極的に親知らずを抜いた方が、お口の健康が保てます。
- お産後は育児で忙しくて歯科治療が大変です。また妊娠中のお口の健康を保つためにも、是非お産前に歯科治療を終わらせましょう!
妊娠中の口腔ケアは大切
産婦人科診療ガイドライン産科編2020より
- 妊娠中はホルモンの変化やつわりの影響などで口腔内環境が変化し、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
- 特に歯周病になると早産や妊娠高血圧症候群になりやすいといわれています。
- 妊娠中はふだん以上に適切な口腔ケアが必要です。
- 妊娠したら是非近くの歯科医院で健診を受けましょう。
お口のケアにエピオス水(POICウォーター)
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妊娠中授乳中の歯科治療
- 妊娠中授乳中にも積極的に歯科治療を受けましょう。
- 赤ちゃんへの感染予防にも歯科治療は大切です。虫歯菌を移さないようにしましょう。
妊娠中授乳中にも薬や検査は可能です
- 局所麻酔:キシロカイン、プロカイン、ノルエピネフリンはその薬にアレルギーをもっていなければ使用問題ありません。
- レントゲン撮影(X線検査):放射線被曝100mSVを超えると赤ちゃんへの影響が心配。頭部の検査は許容量の1万分の1未満。授乳中はもちろん問題ありません。
妊娠中授乳中にも薬や検査は可能です
- 抗生剤:ペニシリン系、セフェム系、マクロライド系抗生剤は妊娠中も授乳中も赤ちゃんへの影響は心配ありません。
- 痛み止め:アセトアミノフェン(カロナール)一回200mgから500mg、一日3回まで内服可能です。
授乳中は使える痛み止めは種類がもっと多いです。特に赤ちゃんへの影響は心配ありません。
妊娠中は担当医へ確認
- 心配な場合には主治医に相談しましょう。
- 授乳中は、授乳と薬に関しての専門家への相談がお勧めです。ラクテーションコンサルタントや赤ちゃんにやさしい病院(BFH)などで相談できます。
- ゆいクリニックへ相談する場合にはオンライン診療で受診歴の無い方も相談可能です
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ぶりとサバは水銀が多いので要注意とスライドで見たのですが、ネットの情報だOKだったので、妊娠後はよく食べていました。やはりNGでしょうか?